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4球団競合ドラ1の佐藤輝明は阪神優勝へ向けたラストピースになるか

2020 11/3 11:00勝田聡
佐藤のくじを引き当てた阪神・矢野監督ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

4球団以上競合の野手はハズレなし?

ドラフト会議の目玉だった左のスラッガー・佐藤輝明(近畿大)とナンバーワン左腕・早川隆久(早稲田大)はともに4球団による抽選となり、佐藤は阪神、早川は楽天が交渉権を獲得した。

近大の先輩・二岡智宏(現巨人三軍監督)の記録を塗り替えるリーグ通算14本塁打を放った佐藤。過去1位指名で4球団以上の競合となったのは10人だけで、大卒野手に限定すると、岡田彰布(早稲田大/1979年)と原辰徳(東海大/1980年)の2人しかいない。

1位指名で4球団以上競合した野手の顔ぶれは下記の通りとなっている。

1位指名で4球団以上競合した野手ⒸSPAIA

選手の評価が定まっていない入団3年目以内の選手を除くと、錚々たる顔ぶれが並ぶ。

7球団競合となった福留孝介(日本生命/1995年)は近鉄への入団を拒否し、1998年のドラフト会議で逆指名で中日入り。以降の活躍は周知のとおりだ。岡田彰布や原辰徳のほか、清原和博(PL学園高/1985年)、松井秀喜(星稜高/1992年)、中田翔(大阪桐蔭高/2007年高校生)ら全員が通算200本塁打以上を達成しており、球界を代表する打者となった。

阪神のドラ1大卒野手は田淵、岡田、今岡、鳥谷ら

さらに阪神にドラフト1位で入団した大卒野手を見ると、多くがチームを支えてきた功労者たちであることがわかる。

阪神の大卒ドラ1野手ⒸSPAIA

球団が初めて獲得した大卒野手でドラフト1位だった田淵幸一(法政大/1968年)は、「ミスタータイガース」としてチームを引っ張った。以降、日本一に輝いた1985年のレギュラーだった佐野仙好(中央大/1973年)、岡田彰布、木戸克彦(法政大/1982年)ら後の主力を獲得している。

その後も今岡誠(東洋大/1996年)に鳥谷敬(早稲田大/2003年自由枠)らが名を連ね、現在は大山悠輔(白鴎大/2016年)が打撃タイトルを争うまでに成長した。これまで活躍した選手が多いことからも、大学で実績のある佐藤への期待が高まるのは当然だ。

2005年リーグ優勝時のチーム編成に近付く

左打ちの佐藤はチーム編成的にもバランスがいい。主軸の大山は右の長距離砲として根を張りつつある。今シーズンは左打ちの長距離砲としてボーアが在籍していたが、来シーズン以降の去就は分からない。長距離砲ではないが、ここ数年主軸を張っていた福留はすでに構想外と報じられている。

糸井嘉男も今シーズンは攻守ともに精彩を欠いており、来シーズンには40歳になる。主軸としての働きを期待するのは酷だろう。左の主軸が不在のチームにとって、佐藤はうってつけの存在なのだ。

直近のリーグ優勝である2005年の打撃陣を見ると、MVPを受賞した左の金本知憲と打点王を獲得した右の今岡がそれぞれ打線を引っ張り、リードオフマンには盗塁王の赤星憲広がいた。もちろんそれ以外の打者の活躍もあったが、左の佐藤と右の大山、そしてリードオフマンの近本と打撃陣のイメージは2005年に近くなりつつある。

当時は「JFK」と呼ばれた鉄壁の中継ぎ陣が猛威を奮っていたが、近年の中継ぎ陣も結果を残している。2017年から中継ぎの防御率は3年連続でリーグトップ。今シーズンもここまでリーグトップと安定している。まだまだスケールは及ばないものの、投打ともに2005年のリーグ優勝時にチーム編成は近づいていると言えそうだ。

これまでの歴史を振り返ると、4球団以上競合したドラフト1位の大卒野手はもちろん、阪神のドラフト1位の大卒野手も成功例が多い。ライトからレフトに浜風が吹く甲子園は左の長距離砲に不利と言われるが、佐藤のパワーは浜風をも切り裂く期待を抱かせる。もしかしたら、左の大砲という優勝に必要な最後のピースが埋まるかも知れない。

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