「バースの再来」も17本塁打、サンズは勝負強さ発揮
2020年も多くの外国人選手がプレーした日本のプロ野球。予想以上の大活躍をした選手や、逆にシーズン途中で退団した選手まで様々だった。
たとえメジャーで実績があっても、新天地で1年目から期待に応えることは簡単ではない。移籍組も含め、新加入した外国人選手を振り返ってみたい。
今季外国人8人態勢で臨んだ阪神。その中でもメジャー通算92本塁打の実績を誇る左の大砲、ジャスティン・ボーアは「バースの再来」と言われるほど期待は大きかった。
6月19日の開幕戦は4番に座ったが、快音はなかなか聞かれず18打席ノーヒット。6月24日のヤクルト戦でようやく初安打を放ったが、あのランディ・バースが持っていた新外国人開幕15打席無安打の不名誉な球団記録を更新した。
その後、日本野球に慣れると少しずつ打率も上昇。芯に当たれば軽々とスタンドに放り込むパワーも発揮し始めた。
シーズンを通して働いたものの、最終的には99試合出場で打率.243、17本塁打、45打点。推定年俸250万ドル(約2億6000万円)を考えると、物足りないと言わざるを得ない。シーズン終了を待たずに帰国しており、11月20日にNPBから自由契約選手として公示された。
一方、2019年に韓国で打点王に輝いたジェリー・サンズは、一時は12球団トップの得点圏打率をキープするなど勝負強さを発揮。110試合出場で打率.257、19本塁打、64打点の成績を残した。来季残留が濃厚と見られている。
スアレスが25セーブでタイトル獲得
投手陣の新助っ人はロベルト・スアレス、ジョン・エドワーズ、ジョー・ガンケルの3人だった。
ベネズエラ出身のスアレスは2016年にソフトバンク入りし、3年間で3勝11敗1セーブ29ホールド。今季からタテジマに袖を通した。
平均155.7キロのストレートを武器に当初はセットアッパーを務めたが、7月から藤川球児に替わってクローザーに転向し、25セーブをマーク。最多セーブのタイトルを確定させた。メジャー球団が興味を示していると伝えられており、来季の去就が注目される。
エドワーズは開幕戦に1イニング登板しただけで、6月26日に右肩のコンディション不良のため登録抹消。9月21日に一軍復帰すると、中継ぎとして安定した投球を見せ、最終的には23試合登板で0勝1敗12ホールド、防御率2.38の成績を残した。
ガンケルは腰痛などでシーズン前半は登録と抹消を繰り返したが、7月24日に一軍登録されてからは8月の月間防御率1.88をマークするなど安定。28試合に登板して2勝4敗11ホールド、防御率3.18の成績を残した。
【関連記事】
・物足りなかったオリックス・ジョーンズ【新加入助っ人通信簿】
・DeNAはオースティン大当たり!【新加入助っ人通信簿】
・巨人パーラは期待外れ、サンチェスは8勝【新加入助っ人通信簿】
・バレンティンが誤算だったソフトバンク【新加入助っ人通信簿】
・ジャクソン逮捕のトラブルに見舞われたロッテ【新加入助っ人通信簿】
・名手エスコバーも1年限りに終わったヤクルト【新加入助っ人通信簿】
・スタンド沸かせた西武ギャレットの剛速球【新加入助っ人通信簿】
・中日は育成契約のシエラを支配下登録も1年限り【新加入助っ人通信簿】
・楽天はロメロが期待以上?の活躍もシャギワ誤算【新加入助っ人通信簿】
・守護神候補スコットが大誤算だった広島【新加入助っ人通信簿】
・日本ハムはビヤヌエバ期待外れもバーヘイゲン8勝【新加入助っ人通信簿】