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スタンドどよめいたクルーンの160キロ【思い出のオールスター④横浜DeNA編】

2020 5/18 11:45勝田聡
マーク・クルーンⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

筒香嘉智は4年連続表彰選手のお祭り男

2020年のプロ野球オールスターの中止が決まった。文字通りスター選手が一堂に会する機会がなくなるのは寂しい限りだ。そこで過去のオールスターを振り返ってみたい。

DeNAの主砲であり日本の4番でもあるオールスター男、筒香嘉智。2015年から2019年まで5年連続でオールスターゲームに出場した。

これまでの5年間で10試合に出場し、打率.414(29打数12安打)、5本塁打、11打点。現在、30打数以上の打率トップ、和田豊(阪神)の.433に迫るハイアベレージを残している。

2016年の第1戦、第2戦、そして2017年の第1戦と、3試合連続本塁打を放った。これは松井秀喜の4試合連続に続く2位タイの記録でもある。ちなみに、その他に3試合連続本塁打を記録しているのは王貞治、清原和博、柏原純一の3人だけだ。

2016年から4年連続で個人賞受賞というのも見逃せない。2016年第1戦で初めての個人賞となるMVPを受賞。2016年第2戦、2017年第1戦、2018年第1戦、2019年第2戦で敢闘選手賞に輝いた。

内川聖一がイチロー以来の5打席連続安打

現役屈指のヒットメーカーでもある内川聖一(ソフトバンク)が、全国区になったのは2008年のオールスターゲームだった。2000年ドラフト1位で横浜(現DeNA)に入団した内川は2008年に突如覚醒。初めてオールスターゲームに出場する。

まだ一軍での実績は乏しかったが、第1戦に途中出場すると初打席初安打を記録。続く第2戦ではスタメン出場し、第1打席から4打席連続安打をマーク。前日の試合から数えると、2000年のイチロー(オリックス)以来となる5打席連続安打だった。

この活躍もあり、ベストバッター賞、マツダ・ビアンテ賞を受賞。内川の名前が一躍全国区となった。この年の内川は、右打者としてNPB史上最高となる打率.378で首位打者を獲得。確固たる地位を築く第一歩を踏み出したのである。

2試合制で唯一2セーブを記録したクルーン

近年のオールスターゲームは2試合制ということもあり、投手は1試合のみの登板で終わることが多い。そのため、2試合連続勝利や連続セーブなどの記録は生まれにくくなっている。

長いオールスターゲームの歴史上、2試合制で唯一、2試合連続セーブをマークしたのが2006年のマーク・クルーンだ。

2005年に来日したクルーンは、160キロを超える剛速球を武器に、主に抑えとして活躍。2006年のオールスターゲーム第1戦では2点リードの9回2死から登板した。里崎智也(ロッテ)相手にオールスター史上最速となる159キロを投じるも安打を許したが、次打者のホセ・フェルナンデスを三振に仕留めセーブを挙げた。

さらにサンマリン宮崎で行われた2戦目では3点リードの9回に登板。川崎宗則に対して自身のオールスター記録を更新する160キロを投げてスタンドをどよめかせた。川崎には死球をぶつけたものの、無安打無失点に抑え2試合連続セーブを記録した。

最近はオールスターゲームによる投手の疲労が問題視されることもあり、2試合連続セーブを達成する投手はもう現れないかもしれない。


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