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ZOZOマリンで感動の「WE ARE パ・リーグ」【思い出のオールスター⑨ロッテ編】

2020 5/23 12:20浜田哲男
BASEBALLⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

2017年、球宴史に残る名シーン

2020年のプロ野球オールスターの中止が決まった。文字通りスター選手が一堂に会する機会がなくなるのは寂しい限りだ。そこで過去のオールスターを振り返ってみたい。

2017年、ZOZOマリンスタジアムで行われたオールスター第2戦の試合後、長いオールスターの歴史でも類を見ない名シーンが生まれた。ロッテが勝利した際に行う勝利の儀式「WE ARE」を、勝利したパ・リーグのスター選手らが披露したのだ。通常の「WE ARE」は、ロッテ選手がライトスタンドにいるファンの前で一列に並んで肩を組み、ファンと共に「WE ARE」と3回コールし、続けて「千葉ロッテ」と連呼しながら共にジャンプして喜びを分かち合う。

いつもは意気揚々とチームメイト達を従え、ライトスタンドの前に率先して駆けていくロッテの鈴木大地も、この日ばかりは緊張気味だった。それでも、陽気なソフトバンクの松田宣浩らが鈴木の背中を後押しすると、いつも通りのリーダーシップを発揮。その後、ライトスタンドのファンの前には、ソフトバンクの柳田悠岐、内川聖一、西武の秋山翔吾、楽天の嶋基宏、日本ハムの西川遥輝らパ・リーグの選手らが集い、鈴木の掛け声で「WE ARE パ・リーグ」が行われた。

シーズン中はライバルとしてしのぎを削る間柄だが、この日ばかりは違った。まさに、オールスターならではの夢のようなシーンだった。この光景を見たファンからは、「パ・リーグのスーパースター達が肩を組んでWE AREをやるって、もしかしたら今後のプロ野球史に残るワンシーンになるかもね」「大地大好き!マリーンズ大好き!パ・リーグ大好き!プロ野球大好き!」「いつもは敵同士でも、こういうのがあるのは素晴らしいと思う」「見れたらいいな~と思っていたことが現実になった!松田さん、本当にありがとう。マリーンズファン、パリーグファンで本当に良かった」など、感激する声が多数寄せられていた。

この試合で、鈴木は本塁打を含む2安打1打点の活躍で敢闘選手賞を受賞。ロッテファンにとっては特に忘れられないオールスターとなった。

デスパイネがロッテ時代の応援歌に応える本塁打

「WE ARE パ・リーグ」が印象的な2017年のオールスター第2戦では、パ・リーグの応援団による粋なはからいも話題となった。オフにロッテからソフトバンクに移籍していたデスパイネがZOZOマリンの打席に入ると、ライトスタンドからこだましてきたのは、ロッテ時代の応援歌だった。

このサプライズにファンも大喜び。ソフトバンクやロッテのファンをはじめ、パ・リーグのファンが一丸となってデスパイネにエールを送った。第2打席、応援歌に乗せられるように思い切りバットを一閃すると、豪快な打球がバックスクリーンに飛び込んだ。結局、本塁打を含む3安打の活躍を見せ、見事MVPを獲得。試合後のお立ち台では、ロッテ時代に恒例となっていた「デスパ!イイネ!」のパフォーマンスでファンを喜ばせた。

怪我で欠場した荻野貴司に粋なはからい

オールスターに出場したことがなかった荻野貴司は2018年のオールスターで監督推薦で選出され、初出場となるはずだった。しかし、数日前の試合で内角の球をスイングした際、右手に投球を受けて骨折。本人はもとより、オールスターで荻野が躍動する姿を夢見ていたファンにとっては残念な結果となった。

だが、7月13日に京セラドーム大阪で行われたオールスターでパ・リーグが勝利すると、ライトスタンドに陣取っていた応援団が怪我で欠場した荻野の応援歌を演奏。そして、球団の広報を通じ、この動画を見て感動している荻野の様子が球団のSNSで配信された。その表情からは、ファンへの感謝と再起を誓う強い気持ちがにじみ出ていた。

日頃はなかなか見れないスーパースター同士の対戦が、目白押しのオールスターゲーム。また、シーズン中は敵対しているファン同士が結束する場でもある。選手が見せるスーパープレーはもちろん、ファン達によるオールスターならではの粋な演出も楽しみのひとつだ。


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