急遽、仙台開催に変更
2020年のプロ野球オールスターの中止が決まった。文字通りスター選手が一堂に会する機会がなくなるのは寂しい限りだ。そこで過去のオールスターを振り返ってみたい。
2011年のオールスター第3戦は、同年3月11日に発生した東日本大震災の被災地・仙台のクリネックススタジアム宮城(現・楽天生命パーク宮城)で4年ぶりに行われた。
当初は第1戦がナゴヤドーム、第2戦が東京ドーム、第3戦をQVCマリンフィールド(現ZOZOマリンスタジアム)で開催予定だったが、日本プロ野球選手会と日本野球機構が復興支援プロジェクトの共同実施について話し合った結果、第3戦はクリネックススタジアム宮城で開催されることになった。
迎えた7月24日、試合前のセレモニーでは楽天の嶋基宏が「あの大震災からたったの1ヶ月半で、ここKスタ宮城で試合ができたこと、そして今日ここでマツダ・オールスターゲームを開催できたこと、改めて人の力は凄いと感じました」と口を開き、さらにこう続けた。
「3月11日、信じられない大災害が起こり、正直野球どころではないと思いました。今、仙台の市街地には元の生活、日常が徐々に戻ってきましたが、まだまだ復興には時間がかかります。スタンドの高い所にいらっしゃる方、バックスクリーン後方、海の方をご覧ください。ここからわずか数kmしか離れていない沿岸部では、まだまだ助けを必要としている方々が多くいます」
同球場での開幕戦で自身が発信した「誰かのために闘える人間は強い」という言葉を振り返り、「ここにいる選手たちは皆、『誰か』のために闘っています。日本中に感動していただけるようなプレー、そしてプレーしている僕たちも感動できるような戦いを後半戦も繰り広げていきます」と、球場に詰めかけたファンに誓った。