球威不足だったアーリン
2021年もプロ野球界に多くの新外国人選手が加入した。期待に応えた新助っ人もいれば、期待外れだった選手もいる。そこで球団ごとに通信簿を作成してみた。昨季から在籍した外国人選手や、新加入でも一軍出場のない外国人選手は対象外としている。
3年連続5位に終わった日本ハムを見ていこう。投手の新助っ人はロビー・アーリンだった。
リーグの平均球速から算定した「球威」、同BB%(対戦打者に占める与四球の割合)から算定した「制球力」、同K%(対戦打者に占める奪三振の割合)から算定した「奪三振」、同FIP(投手の責任である被本塁打、与四死球数、奪三振数のみで投手の能力を評価した指標)から算定した「総合」の4項目を5段階評価した。
アーリンはパドレス、パイレーツ、ブレーブスでメジャー通算115試合に登板し13勝をマークした左腕。日本ハムでは先発と中継ぎの両方で起用されたが、11試合登板で2勝3敗、防御率3.32だった。
BB%は6.8をマークしており、制球力は「4」の高評価となったが、ストレートは平均139.5キロで球威は「2」。奪三振と総合は「3」がついたものの、すでに退団が発表されている。
ロニー・ロドリゲスはパワー「4」も
野手の新助っ人はロニー・ロドリゲス。リーグの平均ISO(長打力を示す指標)から算定した「パワー」、同BB%(打席数に占める四球の割合)から算定した「選球眼」、同spd(走力を示す指標)から算定した「走力」、は同wRC(特定の打者が生み出した得点を示す指標)から算定した「貢献度」の4項目をそれぞれ5段階評価した。
ドミニカ出身のロドリゲスはタイガース時代の2019年に14本塁打を放った右打ちの内野手。コロナ過で来日が遅れ、4月22日のロッテ戦で初出場したが、その後14打数無安打で二軍落ちした。
日本の投手に慣れたのか東京五輪中断明けから徐々に調子を上げたものの、50試合出場で打率.197、6本塁打、12打点と物足りない成績に終わった。
ISOは.230を記録しており、パワーは「4」の高評価。Spdは4.0で走力も「3」と悪くなかったが、選球眼は「2」、貢献度は「1」だった。すでに退団が発表されている。
新庄剛志ビッグボスの就任によって飛躍的に注目度が高まっている日本ハム。今オフはメジャー通算56本塁打のレナート・ヌニエスとスイッチヒッターのアリスメンディ・アルカンタラ、さらにコディ・ポンセ、ジョン・ガントの投手2人と計4人の獲得を決めている。「オフの主役」が来シーズンも主役を張り続けるためには、助っ人の働きは極めて重要になりそうだ。
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