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【新助っ人通信簿】オリックスはシーズン中に3人補強も物足りなさ

2021 12/12 06:00SPAIA編集部
オリックスの新助っ人通信簿,ⒸSPAIA
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スパークマン、バルガスとも球威は「3」

2021年もプロ野球界に多くの新外国人選手が加入した。期待に応えた新助っ人もいれば、期待外れだった選手もいる。そこで球団ごとに通信簿を作成してみた。25年ぶりにパ・リーグを制したオリックスを見ていこう。

投手はグレン・スパークマンとセサル・バルガスの2人。「球威」「制球力」「奪三振」「総合」の4項目を5段階評価した。

球威はリーグの平均球速、制球力は同BB%(対戦打者に占める与四球の割合)、奪三振は同K%(対戦打者に占める奪三振の割合)、総合は同FIP(投手の責任である被本塁打、与四死球数、奪三振数のみで投手の能力を評価した指標)から算出した。昨季から在籍した外国人選手や、新加入でも一軍出場のない外国人選手は対象外としている。

オリックスの新助っ人通信簿インフォグラフィック


スパークマンはロイヤルズ時代の2019年に4勝を挙げた右腕で、5月に退団したブランドン・ディクソンの後釜として獲得。8月18日の日本ハム戦で初先発したが、4回2失点で降板し、結局6試合登板で0勝1敗、防御率6.88に終わった。

ストレートは平均148.6キロで球威と奪三振は「3」がついたが、BB%は11.0で制球力は「2」。FIPは5.78で総合は「1」の低評価となった。退団濃厚と見られている。

バルガスはパドレス時代の2016年にメジャーで7試合に登板し、2021年からBCリーグ茨城に入団。東京五輪にメキシコ代表として出場し、8月にオリックス移籍すると5試合で1勝1敗1ホールド、防御率11.00だった。

ストレートは平均148.4キロで球威は「3」。BB%は8.9で制球力も「3」がついたが、奪三振は「2」、総合は「1」だった。来季も残留する見通しとなっている。

ロメロは無念の途中帰国

野手はステフェン・ロメロとランヘル・ラベロの2人。「パワー」「選球眼」「走力」「貢献度」の4項目を5段階評価した。

パワーはリーグの平均ISO(長打力を示す指標)、選球眼は同BB%(打席数に占める四球の割合)、走力は同spd(走力を示す指標)、貢献度は同wRC(特定の打者が生み出した得点を示す指標)から算出している。

ロメロは2017年から3シーズン、オリックスでプレーし、通算69本塁打をマーク。2020年は楽天で24本塁打、63打点の成績を残し、今季からオリックスに復帰した。しかし、20試合に出場して打率.169、3本塁打に終わり、コロナ禍で家族が来日できないため8月に退団した。

出場数が少ないとはいえ、ISOは.169を記録しており、パワーは「3」評価。貢献度は低かったが、心身ともに万全の状態ならもっと活躍できただろう。

ラベロはケガで2試合出場のみ

ロメロと入れ替わりで入団したのがラベロ。キューバ出身で、メジャーでは42試合に出場したのみだが、マイナーで通算打率.302、70本塁打と実績を残していた。

しかし、8月に二軍戦で死球を受けて左手首を骨折。一軍出場は10月21日の西武戦と同25日の楽天戦の2試合のみだった(計7打数3安打)。クライマックスシリーズと日本シリーズでは計5試合に出場し、来季も残留すると見られる。

25年ぶりのリーグ優勝を果たしたオリックス。成長著しい日本人若手選手に比べると、助っ人補強では物足りなさが残った。今年逃した日本一を達成するためには、今オフの補強も重要になりそうだ。

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