テームズは右アキレス腱断裂のため1試合で帰国
2021年もプロ野球界に多くの新外国人選手が加入した。期待に応えた新助っ人もいれば、期待外れだった選手もいる。そこで球団ごとに通信簿を作成してみた。
リーグ3連覇を逃した巨人を見ていこう。昨季から在籍した外国人選手や、新加入でも一軍出場のない外国人選手は対象外としている。
巨人に新加入した外国人選手はジャスティン・スモーク、エリック・テームズ、スコット・ハイネマンの3人だった。それぞれ「パワー」「選球眼」「走力」「貢献度」の4項目を5段階評価。パワーはリーグの平均ISO(長打力を示す指標)、選球眼は同BB%(打席数に占める四球の割合)、走力は同spd(走力を示す指標)、貢献度は同wRC(特定の打者が生み出した得点を示す指標)から算出した。
テームズはメジャー通算96本塁打の左打者で、2014年から3シーズンにわたってプレーした韓国NC時代は計124本塁打、382打点、64盗塁をマーク。その後、メジャーに復帰し、ブルワーズ、ナショナルズを経て巨人入りした。
新型コロナの影響で来日が遅れ、初出場は4月27日のヤクルト戦。スタメン出場したものの2打席連続三振に倒れ、レフトの守備機会に右アキレス腱を断裂した。同30日に帰国し、そのまま退団。1試合出場、2打数無安打2三振の成績だけが残った。
過去の実績は輝かしいが、日本では評価のしようがなく「オール1」となった。
ハイネマンは出場10試合のみ
スモークはメジャー通算951安打、196本塁打の実績で期待されたスイッチヒッターだったが、テームズと同様に来日が遅れ、4月27日に一軍初出場。その後、主に5番として34試合に出場したものの、家族が来日できないことを理由に6月に退団した。
最終成績は打率.272、7本塁打、14打点。出場試合数が少ないものの、ISOは.211と高くパワーは「4」。選球眼も「3」がついた。心身ともに万全の状態であれば、もっとやれた可能性は十分にあるだけに惜しまれる退団劇だった。
ハイネマンは今年8月に巨人入り。9月11日の中日戦から計10試合に出場したが、打率.160、0本塁打、2打点に終わった。軒並み低評価になるのも仕方ないだろう。
優勝候補の本命と見られた原巨人が3位に終わったのは、外国人が計算通りに働かなかったことも一因だ。今オフはFA戦線も無風のため、V奪回に向け、助っ人補強の行方が注目される。
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