メジャー通算20発のディクソンは出場38試合のみ
2021年もプロ野球界に多くの新外国人選手が加入した。期待に応えた新助っ人もいれば、期待外れだった選手もいる。そこで球団ごとに通信簿を作成してみた。
パ・リーグの優勝候補に挙げられながら3位だった楽天を見ていこう。加入が決まっていたメジャー25勝左腕のアダム・コンリーは、新型コロナの影響で一緒に来日を希望していた家族のビザ発給のメドが立たないことを理由に契約解除。ユニフォームに袖を通すことなく退団となった。
野手の新助っ人はメジャー通算20本塁打のブランドン・ディクソンとキューバ出身のルスネイ・カスティーヨの2人。リーグの平均ISO(長打力を示す指標)から算定した「パワー」、同BB%(打席数に占める四球の割合)から算定した「選球眼」、同spd(走力を示す指標)から算定した「走力」、同wRC(特定の打者が生み出した得点を示す指標)から算定した「貢献度」の4項目をそれぞれ5段階評価した。
昨季から在籍した外国人選手や、新加入でも一軍出場のない外国人選手は対象外としている。
ディクソンはタイガース時代の2019年に15本塁打を放った右打者。内外野ともに守れるという触れ込みだったが、ユーティリティ性を発揮することもなく38試合出場で打率.167、4本塁打、15打点に終わった。
BB%は9.8%を記録しており、選球眼は「4」だったものの、パワーと走力は「3」どまり。wRCは9.8で貢献度は「1」の低評価となった。すでに退団が発表されている。
キューバ出身カスティーヨはわずか1本塁打
カスティーヨは2014年にレッドソックスと7年の大型契約を結び、翌2015年には80試合に出場して打率.253をマークした。しかし、2016年は9試合出場にとどまり、2017年以降は贅沢税の規定が変更されたこともあってメジャーでの出場はなし。2020年の契約満了まで3Aでプレーを続け、結局MLBでは通算99試合に出場しただけだった。
かつてはメジャーから高評価を受けた実力を日本で発揮をすることが期待されたが、ケガもあって33試合出場で打率.225、1本塁打、3打点。パワーと貢献度は「1」に終わるなど、4項目とも低評価だった。すでに退団が発表されている。
豪華投手陣を誇る楽天も、2020年まで3年連続30発をマークしていた浅村栄斗が18本塁打にとどまるなど打線は破壊力に欠けた。来季、ペナントをつかむには、助っ人補強が重要テーマのひとつだろう。
今オフはすでに、マリナーズで通算76試合出場して10本塁打を放っている左のパワーヒッター、ホセ・マルモレホスを獲得。打線に厚みを増す活躍が期待される。
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