途中帰国も4試合中3試合でQSのロメロ
2021年もプロ野球界に多くの新外国人選手が加入した。期待に応えた新助っ人もいれば、期待外れだった選手もいる。そこで球団ごとに通信簿を作成してみた。惜しくも優勝を逃したロッテを見ていこう。
投手の新助っ人はエンニー・ロメロ。「球威」「制球力」「奪三振」「総合」の4項目を5段階評価した。
球威はリーグの平均球速、制球力は同BB%(対戦打者に占める与四球の割合)、奪三振は同K%(対戦打者に占める奪三振の割合)、総合は同FIP(投手の責任である被本塁打、与四死球数、奪三振数のみで投手の能力を評価した指標)から算出した。昨季から在籍した外国人選手や、新加入でも一軍出場のない外国人選手は対象外としている。
ロメロは2019年に中日入りし、先発で8勝を挙げた左腕。今季はメキシカンリーグでプレーしていたが、6月にロッテに加入した。4試合登板して1勝を挙げたのみで、家族の病気のため10月3日にドミニカに帰国。先発4試合中3試合でQS(6回以上自責点3以下)をマークした安定感を評価され、すでに来季の残留が決まっている。
体重100キロ以上の巨体から投げ込むストレートは平均149.6キロ。BB%は9.5、K%は21.1、FIPは3.45で全て「3」評価となった。来季は開幕からフル回転が期待される。
エチェバリアは守備で魅せる
野手の新助っ人はアデイニー・エチェバリア。「パワー」「選球眼」「走力」「貢献度」の4項目を5段階評価した。
パワーはリーグの平均ISO(長打力を示す指標)、選球眼は同BB%(打席数に占める四球の割合)、走力は同spd(走力を示す指標)、貢献度は同wRC(特定の打者が生み出した得点を示す指標)から算出している。
メジャー通算922試合出場、778 安打、打率.253の実績を持つエチェバリアは新型コロナの影響で来日が遅れ、右肩痛で登録抹消されるなど79試合の出場にとどまった。打率.203、4本塁打、24打点の成績に終わり、選球眼と走力は「2」、パワーと貢献度は「1」の低評価となった。
守備は評価項目に入れていないが、ショートの守備では8失策。それでも届かないと思われたライナーをダイビングキャッチでつかむなど数々のファインプレーも披露し、メジャーリーガーの実力の片鱗を見せた。
来季も残留濃厚と報じられており、悲願の優勝を果たすためにも、日本の投手に慣れて打撃成績のアップが期待される。
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