ネバラスカスは登板1試合のみ
2021年もプロ野球界に多くの新外国人選手が加入した。期待に応えた新助っ人もいれば、期待外れだった選手もいる。そこで球団ごとに通信簿を作成してみた。4位に終わった広島を見ていこう。
投手は「球威」「制球力」「奪三振」「総合」の4項目、野手は「パワー」「選球眼」「走力」「貢献度」の4項目を5段階評価。球威はリーグの平均球速、制球力は同BB%(対戦打者に占める与四球の割合)、奪三振は同K%(対戦打者に占める奪三振の割合)、総合は同FIP(投手の責任である被本塁打、与四死球数、奪三振数のみで投手の能力を評価した指標)から算出した。
昨季から在籍した外国人選手や、新加入でも一軍出場のない外国人選手は対象外としている。
広島の新外国人投手はドビダス・ネバラスカス、カイル・バード、ロベルト・コルニエルの3人。ネバラスカスはMLB初のリトアニア出身選手としてパイレーツで76試合に登板し、今季から広島入りした。
しかし、コロナ渦で来日が遅れ、5月30日のロッテ戦に先発したものの3回途中で降板。結局1試合に登板したのみだった。ストレートは平均148.6キロで球威は「3」がついたが、その他の3項目は軒並み低評価となった。
バードは11ホールドも制球難
バードも来日が遅れたが、6月14日の西武戦でデビューすると、計33試合に登板して11ホールドを挙げた。ストレートは平均149.1キロで球威は「3」、K%は21.4%で「3」と平均的だったが、FIPは3.06で「4」となっている。
ただ、BB%が13.3%で制球力が「2」だった通り、コントロールに難があった。ネバラスカスとともに来季は契約を結ばないことが発表されている。
ドミニカ出身のコルニエルはカープアカデミーから育成選手として2020年9月に広島入団。今年3月に支配下登録されたため「新助っ人」の対象とした。
6月20日のDeNA戦で大谷翔平に並ぶ日本球界最速の165キロをマークするなど、50試合に登板して1勝2敗10ホールド、防御率3.82の成績を残した。
ストレートは平均155.3キロを記録しており、球威は文句なしの「5」。61.1回で79三振を奪い、奪三振も「5」だ。制球力と総合は「3」だったが、まだ26歳と若いこともあり、安定感が増せば勝利の方程式を担える素質を秘めている。
クロンはパワー「4」も6本塁打どまり
野手のパワーはリーグの平均ISO(長打力を示す指標)、選球眼は同BB%(打席数に占める四球の割合)、走力は同spd(走力を示す指標)、貢献度は同wRC(特定の打者が生み出した得点を示す指標)から算出した。
ケビン・クロンはダイヤモンドバックスで通算47試合に出場し、15安打のうち6本が本塁打というパワーヒッター。広島に加入した今季は開幕スタメン出場したが、結局42試合出場で打率.231、6本塁打、16打点にとどまり、6月に二軍落ちした。
ISOは.200を記録しており、パワーは「4」の高評価。ただ、選球眼と貢献度は「2」、走力は「1」と期待外れに終わった。広島を退団して来季は韓国でプレーすることが決まっている。
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