日本ハム・中田翔が9犠飛でリーグトップ
プロ野球でタイトルや表彰の対象ではないものの、リーグ1位になった選手にスポットを当ててみたい。
今回はパ・リーグの「最多犠飛」。三塁ランナーがいる場面でヒットやホームランを打てれば一番いいが、犠牲フライでも1点は入る。浅い飛球だとタッチアップできないため飛距離も必要だ。
ホームランバッターが多いのかと思いきや、必ずしもそうではない。2020年に規定打席に達したパ・リーグの打者のベスト5は下表の通りとなっている。
1位は9本の犠飛をマークした日本ハムの中田翔。31本塁打を放ったスラッガーだけに、広い札幌ドームでオーバーフェンスできなかった飛球が犠牲フライになることが多かったのだろう。2位に3本差をつけて断トツトップだ。
ちなみに32本塁打でタイトル獲得した楽天・浅村栄斗は犠飛は2本しか記録していない。
広い札幌ドームならでは?の最多犠飛
中田はプロ13年目の今季、108打点でタイトル獲得。シーズン終盤まで争った本塁打王は逃したが、キャリアハイの31本を放った。
フライに占める本塁打の割合を示すHR/FBは16.1%でリーグ6位。意外に低い気もするが、西武・山川穂高の20.7%を筆頭に浅村、ソフトバンク・柳田悠岐、ロッテ・マーティン、楽天・ロメロと続いている。
やはり広い札幌ドームでは、いい角度で打ち上げてもスタンドまで届きにくい分、HR/FBが下がっていると考えられる。
それでも本塁打を打つまでにかかる打席数を示すAB/HRは、山川、浅村に次いでリーグ3位の14.2だから、そのパワーは恐るべしだ。
ストライクゾーンを9分割したSPAIAのゾーン別データでは、インハイとアウトローの打率が極端に低い。内角高めは打率.136、外角低めは.197と苦手にしており、来季以降の課題だろう。
2位は中村晃と栗原陵矢のソフトバンク勢
2位はソフトバンクの中村晃と栗原陵矢が6本で並んだ。中村は今季打率.271、6本塁打、50打点。HR/FBは4.8%と低く、決してホームランバッターではないが、ここ一番での勝負強さは定評がある。
春江工高(現坂井高)から入団して6年目の栗原は今季大ブレーク。118試合に出場して17本塁打、73打点をマークし、日本シリーズMVPに輝いた。
4位はオリックスのT-岡田と日本ハムの近藤健介が5本で並んだ。2010年にホームランキングに輝いたT-岡田は、2019年はわずか1本塁打と低迷したが、今季は16本塁打と復活の兆しを見せた。HR/FBもリーグ7位の12.9%と高かった。
2019年に最高出塁率に輝いた近藤健介は、今季も.465で2年連続タイトル獲得。打率もリーグ3位の.340と好成績を残した。HR/FBは4.3%と低いが、5本の犠飛はチャンスできっちり仕事をしていることの証明だ。
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