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セ・リーグ最多QSは阪神・西勇輝【非タイトル部門ランキング】

2020 12/16 06:00SPAIA編集部
阪神・西勇輝ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

阪神・西勇輝が17試合でリーグトップ

プロ野球でタイトルや表彰の対象ではないものの、リーグ1位になった選手にスポットを当ててみたい。

今回はセ・リーグの「最多QS」。QSとは「クオリティ・スタート」の略で、先発投手が6イニング以上を自責点3以内に抑えることを言う。投手の分業制が確立された現代野球では、完投が減った分、QSが先発投手を評価する有力な指標のひとつとなっている。

メジャーでは7イニング以上で自責点2以内のハイ・クオリティ・スタート(HQS)も用いられるが、日本ではあまり普及していない。近年、議論になっている沢村賞の選考基準には、7イニング以上で自責点3以内という独自のQSを補足項目に設定している。

2020年に規定投球回に達したセ・リーグの投手ベスト5は下表の通りとなっている。

セ・リーグ最多QSランキング


1位は沢村賞の中日・大野雄大でも、最多勝の巨人・菅野智之でもなく、阪神の西勇輝。今季は21試合の登板で実に17試合でQSという安定した投球を見せた。

正確なコントロールで11勝

6月19日の開幕マウンドに登った西は、その後も先発ローテーションを守り、9月は3勝1敗で防御率1.99、10月は4勝1敗で防御率1.18と好投。リーグ2位の計147.2イニングを投げて、オリックス時代の2014年にマークした自身最多の12勝に次ぐ11勝を挙げた。

ストレートの平均球速が141.4キロとそれほど速くない西にとって、生命線はコントロール。コーナーに投げ分けるシュート、スライダー、チェンジアップで全体の9割以上を占めており、ストレートはわずか5.8%しかない。

SPAIAのゾーン別データでは、見事に外角低めにコントロールされていることがよく分かる。右打者の31.6%(被打率.200)、左打者の25.9%(被打率.123)がアウトローなのだ。

現在プロ通算95勝78敗で、1416奪三振。来季は節目の通算100勝と1500奪三振をクリアし、今季以上の活躍が期待される。

2位は大野雄大と菅野智之

2位タイは大野と菅野の2人で、ともにQS16回。ともに防御率1点台で、多くの説明は必要ないだろう。

4位は広島のドラフト1位ルーキー・森下暢仁。18試合の登板で14回のQSをマークした。今季は122.2イニングで124三振を奪い10勝3敗、防御率1.91と文句のない成績。セ・リーグ新人王の最有力候補となっている。

5位は阪神のサイドスロー、青柳晃洋。タイトル争いにからまなかったこともあってあまり目立つ存在ではなかったものの、21試合の登板で13回のQSは立派だ。2019年は9勝、2020年は7勝だったが、来季は自身初の2桁勝利を狙う。

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