巨人・菅野智之が.196でリーグトップ
プロ野球でタイトルや表彰の対象ではないものの、リーグ1位になった選手にスポットを当ててみたい。
今回はセ・リーグの「被打率」。あまり使われない指標だが、読んで字のごとく打率の反対、つまり投手がどれだけヒットを打たれたかを示す。走者を許しながらも失点しなかった場合に「要所を締めた」と表現するが、被打率が低い投手は走者を許す確率すら低いということになる。
今季セ・リーグで規定投球回に達した6人の中で、被打率のベスト5は下表の通りとなっている。
1位は巨人の菅野智之で.196。今季は開幕13連勝を飾るなどエースとして堂々の投球を続けた。12球団トップの14勝を挙げながら防御率のタイトルや沢村賞は中日・大野雄大に譲ったが、被打率では大野を上回っている。
抜群のコントロールで外角攻め
菅野は今季137.1イニングで被安打97。被打率に加え、防御率1.97は立派の一語だ。
SPAIAのデータでは全体の34%を占めるストレートの平均球速は148.9キロ。平均135キロのスライダーと平均141.1キロのフォークも含めた3つの球種で全体の76.3%を占めている。
しかも、それぞれが見事に外角にコントロールされているのだ。特に右打者に対しては外角低めが30%を占めており、今季奪った131三振のうち31個をアウトローでマークしている。球威抜群のストレートとキレのいいスライダーをコーナーに投げられては、簡単に打てる打者はそういないだろう。
今オフにポスティングシステムを申請。メジャー移籍が決まれば、日本のエースがアメリカでどんな投球を見せてくれるのか楽しみは尽きない。
2位は中日・大野雄大、3位は阪神・西勇輝
2位は中日の大野雄大で被打率.203。今季は45イニング連続無失点や5試合連続完投勝利など記録的な活躍だった。沢村賞にも輝き、FAも封印して新たに3年契約。2011年以来、優勝から遠ざかっているチームのためにも、来季も大活躍が期待される。
3位は阪神の西勇輝で被打率.213。オリックスから移籍して2年目の今季は昨季の10勝を上回る11勝(5敗)をマークし、防御率2.26と安定感抜群だった。
6イニングを3失点に抑えるQS(クオリティ・スタート)はリーグトップの17回。シュートとスライダーを内外角に投げ分けるコントロールが冴え渡っていた。
4位は広島のルーキー・森下暢仁。明治大からドラフト1位で入団した今季は開幕から先発ローテーション入りし、10勝をマークした。被打率.231、防御率は1.91と新人としては文句のない成績だ。
球種は決して多くないが、平均147.6キロのストレートに対し、カーブは平均111.6キロと実に36キロのスピード差がある。緩急を武器にした右の本格派は来季も期待できそうだ。
5位も同じ広島の九里亜蓮で、被打率は.238。今季は夏場までなかなか調子が上がらなかったが、9月、10月に3勝ずつを挙げるなど秋以降に盛り返し、8勝(6敗)を挙げた。
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