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セ・リーグ被本塁打最少は阪神・青柳晃洋【非タイトル部門ランキング】

2020 12/13 11:00SPAIA編集部
阪神・青柳晃洋ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

リーグ最少の阪神・青柳晃洋はわずか4本

プロ野球でタイトルや表彰の対象ではないものの、リーグ1位になった選手にスポットを当ててみたい。

今回はセ・リーグの「被本塁打」。文字通り、打たれた本塁打数のことで、当然ながら少ない方がいい。バットに当てられてもへし折ってしまう剛球タイプの方が被本塁打が少ないと思われがちだが、そうとも限らない。

2020年に規定投球回に達したセ・リーグの投手のベスト5は下表の通りとなっている。

セ・リーグ被本塁打ランキング


セ・リーグ1位は阪神のサイドスロー・青柳晃洋。21試合に登板し、120.2イニングを投げて喫した本塁打はわずか4本だった。

フライを打たれないからホームランも少ない青柳

2020年は開幕から先発ローテーションを守り、7月10日のDeNA戦で梶谷隆幸に初被弾。その後、7月17日の中日戦でビシエド、8月7日の広島戦で松山竜平、9月16日の巨人戦で田中俊太に一発を浴びたのみだった。

1試合で喫する本塁打数を示すHR/9もリーグトップの0.30。ストレートの平均球速が142.8キロとそれほど速くないにもかかわらず本塁打を打たれないのは、サイドから多彩な変化球を低めに投げ分けて的を絞らせない投球に尽きる。

SPAIAのデータでは、シュートが全体の49.3%と約半分を占めている。そのほか、スライダー、シンカー、カットボールが主武器。左打者に対しては外角低めが37.2%、内角低めが11.4%と投球の半分近くは内外角の低めで、右打者に対しては外角低めが25.1%、被打率.051と安定感を裏付けている。

面白いのは打球に占めるフライの割合を示すFB%も25.2%とリーグトップをマークしていること。球威がないとパワーで持っていかれそうな気がするが、そもそもフライを打たれる確率が低いからホームランにもなりにくいという、当たり前の論理なのだ。

今季は7勝どまりだった青柳。来季は自身初の2桁勝利が期待される。

菅野智之は半分近くがフライも球威があるから打たれない

2位は広島のルーキー・森下暢仁で6本。HR/9も0.44で2位となっている。右の本格派の森下の場合は、コントロールよりはボールのキレで本塁打を許さないと言えるだろう。

3位は最多勝に輝いた巨人の菅野智之。20試合の登板で被本塁打は8本だった。特徴的なのはFB%が46.7%と高いこと。半分近くがフライにもかかわらずホームランを許していないのは、球威のある高めのストレートでポップフライに打ち取っていることの証拠だろう。

4位は広島の九里亜蓮で11本。今季は20試合に登板して8勝6敗、防御率2.96の好成績をマークした。HR/9は0.76となっている。

沢村賞に輝いた中日の大野雄大は意外に5位だった。今季は20試合に登板して148.2イニングを投げ、許した本塁打は13本。HR/9は0.79だから決して悪い数字ではないが、6月19日のヤクルトとの開幕戦で2本、6月26日の広島戦で3本のホームランを浴びるなど前半戦の不調が響いた格好となっている。

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