中日の京田陽太が7三塁打でリーグトップ
プロ野球でタイトルや表彰の対象ではないものの、リーグ1位になった選手にスポットを当ててみたい。
今回はセ・リーグの「最多三塁打」。長打とひとくくりにされることが多いが、同じ長打でも二塁打に比べて三塁打は極端に少ない。単に遠くに飛ばせばいい訳ではなく、ボールが外野から返球されるまでに三塁に達するスピードが必要だからだ。NPBの歴代最多三塁打が115本の福本豊であることからもよく分かる。
従ってランキングに並ぶ名前も二塁打とは全く違う顔ぶれだ。2020年に規定打席に達したセ・リーグ打者のベスト5は下表の通りとなっている。
1位は7三塁打をマークした中日の京田陽太。今季は120試合にフル出場し、打率.247、5本塁打、29打点の成績だった。
苦手のインコースを克服できれば打率も上がる?
青森山田高から日大を経て2016年ドラフト2位で中日入りした京田は、2017年に打率.264、23盗塁をマークして新人王。その年も8三塁打でリーグ最多だった。
その後3年は打率が2割5分を超えず、やや伸び悩んでいるが、堅実な守備も含めてチームへの貢献度は低くない。
SPAIAのゾーン別データでは内角に弱いことが分かる。高低を問わず、内角球に対しては70打数9安打の打率.129で計22三振。打球方向はライトが29%で、レフト方向は12%と引っ張ることが多い割にインコースを苦手にしている。
この辺りを改善できれば、広いナゴヤドームで京田の足はさらに活きるはずだ。
2位は大山悠輔、近本光司、田中広輔の3人が並ぶ
2位は5本で3人が並んだ。初タイトルこそ届かなかったものの自身最多の28本塁打をマークした阪神の大山悠輔。長距離砲のため意外に思われるかも知れないが、決して足は遅くない。
今季の盗塁はわずかに1個だったものの、足の速さを示すSpdはリーグ10位の3.83。長打力を示すIsoPは三塁打ランキング上位選手では断トツの.272となっており、来季は一発とともに大山の足にも注目したい。
チームメートの近本光司は2年連続盗塁王に輝いたスピードスター。今季は打率.293と、昨季の.271から上昇した。足にスランプはないだけに3年目も期待がかかる。
同じく5本で並ぶのが広島の田中広輔だ。昨季は打率1割台(.193)と不振だったが、今季は.251と持ち直した。2017年には35盗塁でタイトル獲得し、2018年にはリーグ最多の三塁打10本をマークした実績の持ち主だけに、2位タイもうなずける。
5位は同じく広島の菊池涼介。メジャー挑戦を断念してチームに残った今季は打率.271、10本塁打、41打点の成績で、4本の三塁打を放った。
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