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【皐月賞】大本命クロワデュノールに不安材料なし 相手筆頭は好データ多数のマスカレードボール

2025 4/16 12:00門田光生
皐月賞の前走着順別成績(過去10回),ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

勝ち馬はすべて前走2着以内

20日に中山競馬場で行われる第85回皐月賞。今開催の中山競馬は、1週目が仮柵なしのAコースから始まり、2~3週目はBコース、そして最終はCコース。週が進むごとに仮柵を外へ出して、馬場の荒れた部分をカバーしている。

これが普通の仮柵移動のパターンだが、20年以上前、開催が進むにつれて仮柵を外していた時期があった。有名なところでは1998年の皐月賞で、開催前半に仮柵で使われなかった馬場のいい部分(通称グリーンベルト)を走れた3番セイウンスカイが逃げ切り、その恩恵を受けることができなかった18番スペシャルウィーク(1番人気)は、最速の上がりを使っても届かず3着に敗れた。

ちなみに、2番目の上がりを使って6着だったのが13番ボールドエンペラーで、同年のダービーは1着スペシャルウィーク(1番人気)、2着ボールドエンペラー(14番人気)という結果となった(セイウンスカイは4着)。「どの馬が得をして、どの馬が損をしたのか」を見極められた人は、この馬連万馬券(当時は馬単、3連単系の馬券発売はなかった)をゲットできたかもしれない。

一方、ここで検証していくのはデータ予想。競馬はどんな角度からでも予想ができ、また参加できるのがいいところだろう。話は逸れたが、皐月賞にはどんな傾向があるのか、いつも通り過去10年の成績を基にして検証していきたい。

☆所属
美浦、栗東とも5勝、10連対。勝率、連対率、複勝率では美浦が上回っている。よって、ここは美浦所属馬有利としたい。

出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆性別
牝馬の参戦は、2017年ファンディーナ(7着)と、2024年レガレイラ(6着)の2頭だけ。ちなみに、2頭とも1番人気に支持されていた。

出走馬の性別,ⒸSPAIA


☆キャリア
連対数はキャリア3戦の7頭が最多で、勝率と連対率はキャリア2戦がトップ。この2つがプラスデータ。キャリア6戦、もしくは8戦以上の馬はすべて馬券外。キャリア7戦からも勝ち馬が出ていない。

出走馬のキャリア,ⒸSPAIA


☆前走クラス
勝ち馬が出ているのは前走重賞組だけ。ただ、前走GⅡ組は77頭が出走して、1頭しか勝ち馬が出ていないので、勝ち馬探しとなると割引が必要になる。前走オープン(リステッド)組は2着が1頭のみで、条件戦、またはオープン(リステッド除く)から馬券に絡んだ馬はいない。

出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA


☆出走馬の主な前走
勝ち馬を5頭出している共同通信杯が最有力ステップレース。また、サンプルは少ないが、ホープフルSも5頭中2頭が勝っているのだから、プラスデータと考えていい。勝ち馬を7頭出しているGⅢ組だが、きさらぎ賞組からは連対馬が出ていない。

出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走着順
連対馬20頭中19頭が前走2着以内だった。前走2着馬より1着馬の方が、好走率が高い。前走3着以下からは2着馬が1頭、3着馬が2頭いるだけ。中でも、前走3着馬は22頭該当して、連対した馬が出ていない。

出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆前走人気
勝率がいいのは前走4番人気、連対率と複勝率がいいのは前走1番人気に支持されていた馬。前走5番人気から勝ち馬が出ていない。前走6番人気以下だと勝率が低くなる。

出走馬の前走人気,ⒸSPAIA


☆その他
勝ち馬が出ていないのは、「前走が0.3秒以上で負けた」馬と「前走で逃げた」馬。連対馬が出ていないのは、「前走馬体重が460kg以下だった」馬と「前走が2200mを走った」馬だった。

その他のデータ,ⒸSPAIA


クロワデュノール、マスカレードボールが4つの好走データ該当

皐月賞のデータをまとめてみよう。今回の登録馬に該当するデータは、

【好走率アップ】
A「美浦所属馬」
B「キャリア2戦か3戦」
C「前走が共同通信杯かホープフルS」
D「前走1着馬」
E「前走1番人気か4番人気」

【勝率ダウン】
F「前走がGⅡ」
G「前走6番人気以下」

【勝ち馬なし】
H「前走がオープン(リステッド)」
I「前走4着以下」
J「前走5番人気」
K「前走が0.3秒以上の負け」
L「前走逃げ」

【連対馬なし】
M「キャリア6戦」
N「前走がきさらぎ賞」
O「前走3着馬」
P「前走馬体重が460kg以下」
Q「前走が2200m」

まず、プラスデータを勝率順に並べてみる。結果は以下の通り。

プラスデータ・勝率順,ⒸSPAIA


プラスデータを3つ以上持ち、勝ち馬が出ていないH~L、連対馬が出ていないM~Qに該当しないのは、エリキング(BDE)、クロワデュノール(BCDE)、マスカレードボール(ACDE)の3頭。今回、最も勝率がいいのはC「前走がホープフルS」で、2番目もC「前走が共同通信杯」。ホープフル組のクロワデュノールが◎、共同通信杯組のマスカレードボールが〇。3番手はエリキングで問題ないだろう。

3番手まではすんなり決まった。続いて4番手以下だが、今度はプラスデータを連対率順に並べてみる。

プラスデータ・連対率順,ⒸSPAIA


ここでは、勝ち馬が出ていないH~Lは無視して話を進めていく。プラスデータを2個、連対馬が出ていないM~Qに該当しないのは、ヴィンセンシオ(AB)、カラマティアノス(AC)、ジョバンニ(DE)、ニシノエージェント(AD)、ピコチャンブラック(AD)、マジックサンズ(BC)、マテンロウバローズ(BE)の7頭。

連対率のトップ3はC「前走がホープフルS」、B「キャリア2戦」、C「前走が共同通信杯」で、この3つのいずれかを持つのは、カラマティアノス、マジックサンズの2頭のみ。1番目に連対率がいいC「前走がホープフルS」を持つマジックサンズが4番手、押さえがカラマティアノスとなる。

◎クロワデュノール
◯マスカレードボール
▲エリキング
△マジックサンズ
×カラマティアノス


《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
冒頭に出てきたボールドエンペラーは、父が短距離向きのキンググローリアス。距離を不安視する声もあって人気はありませんでしたが、母の父リアルシャダイの血が強く出たようです。母系の大事さを教えられたダービーでもありました。

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