37セーブ、防御率0.86の栗林は2項目で「5」
2021年のプロ野球界は新人選手の活躍が目立った。タイトル争いにからんだ、あるいは獲得した選手もおり、大豊作の1年だったと言えるだろう。そこで球団ごとに一軍出場したルーキーの通信簿を作成してみた。4位に終わった広島を見ていこう。
投手の新人で一軍出場を果たしたのはトヨタ自動車から1位で入団した栗林良吏、天理大から2位で入団した森浦大輔、八戸学院大から3位で入団した大道温貴、智弁和歌山高から4位で入団した小林樹斗の4人。「球威」「制球力」「奪三振」「総合」の4項目を5段階評価した。
球威はリーグの平均球速、制球力は同BB%(対戦打者に占める与四球の割合)、奪三振は同K%(対戦打者に占める奪三振の割合)、総合は同FIP(投手の責任である被本塁打、与四死球数、奪三振数のみで投手の能力を評価した指標)から算定した。
ルーキーだけの相対評価ではなく、リーグ平均と比較したものなので低い評価になることが多いが、それでも優秀な「成績」を収めた選手は少なくない。
栗林は開幕からクローザーを務め、ストレートとフォークを武器に22試合連続無失点と新人記録を更新。その後も安定感抜群のリリーフを見せ、53試合登板で37セーブ(0勝1敗)、防御率0.86と文句のない成績で新人王に輝いた。
K%はリーグトップの40.3、52.1回で81三振を奪い、奪三振は最高評価の「5」。FIPは1.63で総合も「5」となった。ストレートは平均149.1キロで球威は「4」。BB%は13.9で制球力は「2」だったが、1点もやれない場面でやむを得ない四球もある。何より防御率が0点台、敗戦が1つしかない点は特筆すべき成績だ。