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【ルーキー通信簿】DeNA牧秀悟は「超新人級」の活躍! 貢献度は最高評価

2021 12/23 06:00SPAIA編集部
DeNAのルーキー通信簿,ⒸSPAIA
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1位の入江大生は右肘手術も制球力「4」

2021年のプロ野球界は新人選手の活躍が目立った。タイトル争いにからんだ、あるいは獲得した選手もおり、大豊作の1年だったと言えるだろう。そこで球団ごとに一軍出場したルーキーの通信簿を作成してみた。最下位に終わったDeNAを見ていこう。

投手の新人は明治大からドラフト1位で入団した入江大生とヤマハから5位で入団した池谷蒼大の2人。「球威」「制球力」「奪三振」「総合」の4項目を5段階評価した。

球威はリーグの平均球速、制球力は同BB%(対戦打者に占める与四球の割合)、奪三振は同K%(対戦打者に占める奪三振の割合)、総合は同FIP(投手の責任である被本塁打、与四死球数、奪三振数のみで投手の能力を評価した指標)から算定した。

ルーキーだけの相対評価ではなく、リーグ平均と比較したものなので低い評価になることが多いが、それでも優秀な「成績」を収めた選手は少なくない。

DeNAのルーキー通信簿インフォグラフィック


入江は作新学院高時代に一塁手としてエース今井達也とともに夏の甲子園で優勝。明治大では投手に専念して5勝を挙げ、即戦力として期待された右腕だ。

開幕ローテーション入りを果たしたものの、プロ初登板となった3月31日のヤクルト戦から4連敗。4月23日に登録抹消されると、8月に右肘のクリーニング手術を受け、その後はシーズン終了まで一軍マウンドに立てなかった。0勝4敗、防御率7.85は本人としても不本意な成績だろう。

ストレートは平均146.7キロで球威は「3」、BB%は6.3で制球力は「4」がついた。今季はリーグ最下位のチーム防御率4.16だった投手陣を救うべく、来季はフル回転が期待される。

5位の池谷蒼大は6試合無失点

池谷は開幕一軍入りを果たし、中継ぎや敗戦処理で5試合に登板して無失点だったが、4月12日に登録抹消。9月11日に一軍再昇格して1試合に登板し、結局6試合で6.2回を投げ、被安打2、奪三振2、無失点でシーズンを終えた。

二軍では36試合登板で0勝2敗、防御率5.08だったが、中継ぎ左腕として多くの実戦経験を積んだことは来季に活きるだろう。

奪三振は「1」と低評価になったが、それ以外の3項目は「3」。今後の成長が期待される。

2位の牧秀悟はパワー「4」貢献度「5」

野手で一軍出場を果たしたのは中央大から2位で入団した牧秀悟のみ。それぞれ「パワー」「選球眼」「走力」「貢献度」の4項目を5段階評価した。

パワーはリーグの平均ISO(長打力を示す指標)、選球眼は同BB%(打席数に占める四球の割合)、走力は同spd(走力を示す指標)、貢献度は同wRC(特定の打者が生み出した得点を示す指標)から算定している。

牧は開幕スタメンに名を連ねると、いきなり打棒爆発。阪神・佐藤輝明とともに前半戦のセ・リーグを席巻した。調子を落とした時期もあったが、夏場以降は再び盛り返し、最終成績は137試合出場で打率.314(リーグ3位)、22本塁打(同8位タイ)、71打点(同8位タイ)。新人王こそ広島・栗林良吏に譲ったが、新人特別賞を受賞し、年俸は1300万円から7000万円(いずれも推定)に跳ね上がった。

ISOは.220でパワーは「4」。wRCは86.6で貢献度は最高評価の「5」となった。BB%は5.2と低く、選球眼は「2」。来季以降の課題はこの辺りだろう。

今秋ドラフトでは1位で注目の小園健太(市和歌山高)、2位で大阪桐蔭高時代にセンバツ優勝した徳山壮磨(早稲田大)と好投手2人を獲得。打線は強力だけに、投手陣を整備できれば、ヤクルトに続く最下位からの頂点も決して夢物語ではないはずだ。

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