鈴木誠也は首位打者、石川柊太と岩隈久志は最多勝など獲得
プロ野球選手にとって個人タイトルは最高の栄誉のひとつであり、歴史に残る勲章でもある。1950年の2リーグ分立後、本塁打王、打点王、首位打者、最多勝、最優秀防御率の5部門でタイトルを獲得した選手を出身地別に分類(外国出身選手を除く)すると、東京出身は18人。当然と言えば当然だが、球史に残る名選手が名を連ねている。
ポスティングシステムでのメジャー移籍が噂されている鈴木誠也は荒川区出身。二松学舍大付高からドラフト2位で広島入りし、2019年に打率.335、2021年に.317で2度の首位打者に輝いている。
石川柊太は品川区出身で都立総合工科高から創価大を経て2013年育成ドラフト1位でソフトバンク入団。2020年に11勝3敗で最多勝に輝いた。
岩隈久志は東大和市出身で、堀越高からドラフト5位で近鉄入り。2004年に15勝で最多勝に輝き、楽天移籍後の2008年には21勝で最多勝、1.87で最優秀防御率に輝いた。メジャーでも63勝を挙げたが、巨人移籍後はケガのため一軍登板できず2020年に引退した。
チームメイトだった松坂大輔と小谷野栄一
松坂大輔は高校時代に春夏連覇した横浜のイメージが強いが、出身は東京都江東区。西武入団1年目の1999年から3年連続最多勝に輝き、2003年(2.83)と2004年(2.90)に最優秀防御率のタイトルを獲得している。
松坂と江戸川南リトルシニアでチームメイトだった小谷野栄一は、創価高から創価大を経て日本ハム入団。2010年に109打点でタイトルを獲得した。
高橋尚成は修徳高、駒澤大、東芝と進み、逆指名で巨人入り。2007年に2.75で最優秀防御率に輝き、メジャーでも通算14勝をマークした。
江藤智は関東高(現聖徳学園高)時代に通算61本塁打。ドラフト5位で広島入団すると、1993年に34本塁打で初タイトルを獲得。1995年には39本塁打、106打点で二冠王に輝いた。
初芝清は二松学舍大付高から東芝府中に進み、1988年ドラフト4位でロッテ入団。1995年にイチロー、田中幸雄と80打点で並び、3人揃って打点王となった。
ビートたけしと同級生だった成田文男
武田一浩は世田谷区出身で、明大中野高から明治大を経て日本ハム入り。ダイエー移籍後の1998年に13勝で最多勝に輝いた。その後、中日、巨人と渡り歩き、計89勝31セーブをマークしている。
伊東昭光は帝京高、本田技研を経てドラフト1位でヤクルト入りし、1988年にリリーフながら18勝(9敗17セーブ)をあげて最多勝。当時、規定投球回未達での最多勝は史上初だった(その後、下柳剛と石川柊太も記録)。
新浦寿夫は静岡商高1年時に夏の甲子園で準優勝。同校を中退して巨人入りし、1977年に2.32、1978年に2.81で2年連続最優秀防御率に輝いた。
田淵幸一は豊島区出身で、法政一高から進学した法政大時代に当時東京六大学新記録の22本塁打をマーク。山本浩二、富田勝とともに「法政三羽ガラス」と呼ばれ、鳴り物入りで阪神に入団した。王貞治がいたため、なかなかタイトルに届かなかったが、1975年に43本塁打で生涯唯一のキング戴冠。13年連続本塁打王を継続していた王の記録を止める価値あるタイトルだった。
成田文男は足立区立第四中時代にビートたけしと同級生。修徳高から東京オリオンズ入りし、1970年に25勝、1973年に21勝で最多勝に輝いた。
王貞治は本塁打王15回
王貞治は台湾出身の父親と日本人の母親の間に東京市本所区(現墨田区)で生まれ、早稲田実時代にエースとしてセンバツで優勝。巨人入団後は本塁打王15回、打点王13回、首位打者5回と多くのタイトルを獲得し、通算868本塁打という不滅の金字塔を打ち立てた。
榎本喜八は早稲田実から毎日オリオンズ入りし、1960年に打率.344、1966年に打率.351で2度の首位打者に輝いた。「安打製造機」と呼ばれ、通算2314安打を放った。
松田清は中野高(現明大中野高)から巨人入りし、1951年に2.01で最優秀防御率のタイトルを獲得。同年に19連勝をマークし、翌1952年に20連勝まで伸ばした。
杉下茂は旧制帝京商から太平洋戦争を挟んでいすゞ自動車、明治大学旧制専門部を経て中日入り。1951年に28勝で最多勝のタイトルを獲得し、1954年に32勝、防御率1.39で二冠に輝いた。「フォークボールの神様」と呼ばれ、通算215勝を挙げた。
西沢道夫は日大を中退して中日入りし、投手として活躍。しかし、戦争中に肩を痛めた影響で戦後は野手に転向し、1952年に打率.353で首位打者、98打点で打点王の二冠に輝いた。
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