横須賀出身の秋山翔吾はMPB記録樹立
プロ野球選手にとって個人タイトルは最高の栄誉のひとつであり、歴史に残る勲章でもある。1950年の2リーグ分立後、本塁打王、打点王、首位打者、最多勝、最優秀防御率の5部門でタイトルを獲得した選手を出身地別に分類(外国出身選手を除く)すると、神奈川出身は11人。現役では巨人・菅野智之や阪神・青柳晃洋らがプレーしており、野手よりも投手が多くなっている。
青柳晃洋は横浜市出身で、川崎工科高から帝京大を経てドラフト5位で阪神に入団。サイドから投げ込むツーシームやスライダーを武器に先発として活躍し、2021年に13勝で最多勝に輝いた。
菅野智之は相模原市出身で、叔父の原辰徳(現巨人監督)と同じ東海大相模高から東海大に進んだ。厚木市出身の田中広輔(現広島)は高校、大学の同級生。2011年ドラフトで日本ハムが交渉権を獲得したが入団を拒否して浪人し、翌2012年ドラフトで念願の巨人入りを果たした。
巨人では2017年(17勝)、2018年(15勝)、2020年(14勝)と最多勝を3度獲得。最優秀防御率は2014年(2.33)、2016年(2.01)、2017年(1.59)、2018年(2.14)と4度獲得している。
秋山翔吾は横須賀市出身で、横浜創学館高から八戸大を経て西武に入団。2015年に216安打のNPB記録を樹立し、2017年には打率.322で首位打者に輝いた。2020年からMLBレッズでプレーしている。
館山昌平、山本昌、阿波野秀幸は最多勝、原辰徳は打点王
館山昌平は厚木市出身で、日大藤沢高から日本大を経てヤクルト入団。高校時代は3年センバツに出場してベスト4入りしたが、松坂大輔を擁する横浜高とは春の関東大会決勝など3度対戦していずれも敗れた。プロ入り後は2009年に16勝で最多勝。2019年に引退するまでケガに苦しみながらもプロ通算85勝をマークした。
山本昌は茅ヶ崎市出身で、日大藤沢高からドラフト5位で中日入り。1993年(17勝)、1994年(19勝)、1997年(18勝)と3度の最多勝に輝き、1993年には2.05で最優秀防御率のタイトルも獲得した。50歳まで現役を続け、史上最年長勝利など実働29年で通算219勝を挙げた。
阿波野秀幸は横浜市出身で、桜丘高から進んだ亜細亜大で東都通算32勝を挙げ、ドラフト1位で近鉄に入団。3年目の1989年に19勝で最多勝に輝き、チームの優勝に貢献した。
原辰徳は東海大相模高2年春のセンバツで準優勝するなどスター選手として騒がれ、東海大で首都大学リーグ通算21本塁打をマーク。巨人では4番の重圧に耐えながら1983年に103打点でタイトルを獲得した。引退後は巨人の監督を務め、2021年で計15シーズンとなっている。
新人でMVPに輝いた木田勇
木田勇は横浜市出身で、横浜第一商(現横浜商大高)から日本鋼管を経てドラフト1位で日本ハムに入団。1年目の1980年にいきなり22勝、防御率2.28でタイトルを獲得し、新人では史上初のMVPも受賞した。
野村収は平塚農高から駒澤大を経てドラフト1位で大洋に入団。1978年に17勝で最多勝に輝いた。ロッテ、日本ハム、阪神でもプレーし、史上初の12球団勝利をマークした。
桑田武は横浜市出身で、荏原高(現日体荏原高)から中央大を経て大洋に入団。1年目の1959年にいきなり31本塁打でタイトルを獲得した。1986年の清原和博と並んで、現在も新人最多記録となっている。また、1961年には94打点で打点王にも輝いた。
飯田徳治は旧制浅野綜合中から東京鉄道局を経て南海入りし、1951年に87打点、1952年に86打点で2年連続打点王に輝いた。俊足としてもならし、国鉄に移籍した1957年に盗塁王に輝くなど、通算390盗塁をマークした。
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