ライバル球団からコーチを招聘
石井一久GMが兼任監督に就任して始動した2021年の楽天は、2年ぶりのAクラスとなる3位でシーズンを終えた。今季は2013年以来のリーグ優勝、そして悲願の日本一への期待高まる石井政権2年目の組閣を見ていきたい。
まず、一軍のコーチングスタッフは下表のとおり。
昨季から大きな変更はなかったが、打撃コーチに前ソフトバンク一軍打撃コーチの立花義家氏、外野守備走塁コーチに前オリックス二軍守備走塁コーチの佐竹学氏と、ライバル球団から2人のコーチを招聘した。
立花氏はクラウンライター(西武の前身)にドラフト1位で入団し、1991年まで西武でプレー。その後、阪神を経て台湾の俊国ベアーズに所属していた1993年限りで現役を引退した。一時、球界を離れていたが、1998年からダイエー(現ソフトバンク)で指導者人生をスタート。オリックス、西武、ロッテのパ・リーグ4球団を渡り歩いてきた。
現役時代、左のスラッガーとして活躍した立花氏には、左打者の育成が期待される。辰己涼介や黒川史陽ら、殻を破り切れずにいる若手たちを主軸に育て上げられるか注目だ。
佐竹学氏は、1996年ドラフト4位でオリックスに入団。2004年オフには、オリックスと近鉄の球団合併に伴う分配ドラフトで楽天へ移籍し、2006年限りで現役を引退した。コーチとして2009年まで楽天の一軍外野守備走塁コーチを務めた後、2010年には古巣・オリックスの編成部入り。その翌年から昨季まで外野守備走塁コーチなどを担当していた。
昨季チームは、盗塁数(45)、盗塁成功率(55.6%)ともにリーグワーストを記録。長年一塁コーチを務めていた経験を生かして、走塁改革に取り組む。
そのほか6人のコーチは留任。引き続き一軍で石井監督を支えることとなった。
現役引退した雄平氏が二軍打撃コーチに
二軍も昨季に引き続き、三木肇氏が二軍監督を務める。新任としては、昨季限りで現役を引退した前ヤクルトの雄平氏が、打撃コーチとして入閣した。
雄平氏は、投手として2003年ドラフト1位でヤクルトへ入団。09年オフにパワフルな打力を買われ、外野手へ転向した。12年に転向後初安打をマークすると、14年には打率.316、23本塁打、90打点と好成績を残し、ベストナインに選出された。
5年連続で得点圏打率3割以上をマークするなど、勝負強さに定評があった雄平氏。垣内哲也打撃コーチらとともに、若手の打撃力強化に励む。
そのほか、昨季まで一軍打撃コーチを務めていた金森栄治氏が育成打撃コーチに、岡田幸文氏が一軍から二軍の外野守備走塁コーチに配置転換されるなど、複数のポジションで変更が行われた。
昨年、満を持して就任した石井一久監督。至上命題となる2013年以来の日本一へ、真価が問われる1年となる。
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