2年連続最多安打の大島洋平が1985年生まれの年男
中日では、不動の中堅手が年男のシーズンを迎える。1985年生まれの大島洋平はプロ11年目となる2020年、リーグ4位の打率.316をマークし、146安打を放って2年連続となる最多安打を獲得。3年連続、通算8度目となるゴールデン・グラブ賞にも輝き、攻守にさすがの存在感を示した。
プロ3年目からは毎年規定打席をクリアしてフル出場に近い稼働ぶりだった大島だが、大ベテランの域に入ってくる中で進化も見せた。2020年の出塁率.382はキャリア最高。打率は2014年の.318にわずかに及ばなかったものの、打席数に占める四球の割合は過去最高の9.0%を記録し、選球眼に磨きをかけた。2021年もリードオフマンとしてチームを引っ張ってくれるだろう。
2020年のシーズン終了時点で通算安打は1588本。8月18日のヤクルト戦でプロ野球127人目となる1500安打に到達した。11年目での到達は立浪和義や井端弘和を超える球団最速記録であり、球団史に残る安打製造機となりつつある。残り400本あまりと2000本安打の大台も見えてきたが、大記録達成へ弾みをつけるシーズンにしたいところだ。
「投手王国」復活を担う勝野昌慶、ロドリゲスの1997年生まれコンビ
1997年生まれの年男は昨季頭角を現した先発右腕2人に注目したい。
1人は2018年ドラフト3位の勝野昌慶。ルーキーイヤーは3試合の登板で1勝2敗、防御率6.06という成績だったが、昨季は13試合に登板して4勝5敗、防御率3.88と充実したシーズンを送った。岐阜県可児市出身で岐阜県立土岐商業高校、三菱重工名古屋という経歴を辿ったご当地プレーヤーだ。
もう1人は育成選手として2019年オフに加入したキューバ出身のヤリエル・ロドリゲス。2020年は8月初旬に支配下昇格を勝ち取ると、11試合で3勝4敗、防御率4.12の成績を残した。負け越しとなってしまったが、ストレートの平均球速は149.8キロ、奪三振率は10.22と成績以上に高いポテンシャルが光った。
両投手ともストレート、スライダー、フォークの3球種で押す本格派の先発右腕だ。チームは徐々に戦力を整えて久々にAクラス入りを果たしたが、ここから優勝を狙うにはさらなる戦力の上積みが不可欠。昨季力を伸ばした年男2人がローテーション投手として安定した働きをしてくれると心強い。
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