ベテラン桑原謙太朗が勝ちパターン入りを目指す
2020年の阪神は2年連続Aクラス、順位は2位だった。矢野燿大監督の就任が2019年。2018年の6位から3位、2位と上げており、2021年は2005年以来16年ぶりとなるリーグ優勝への期待がかかる。
阪神の強みは強固な中継ぎ陣にある。2020シーズンの中継ぎ防御率は3.31とリーグトップ。抑えのスアレスも残留が決まり、セットアッパーの岩崎優や投手キャプテンに就任する岩貞祐太と層は厚い。
その輪の中に返り咲こうと目論むのが、ベテランの桑原謙太朗だ。1985年生まれの桑原は2021年で36歳の年男。2017年と2018年は2年連続60試合以上に登板し、2017年には最優秀中継ぎのタイトルを獲得した。
だが、2019年以降はコンディション不良もあり、満足いく成績を残せていない。契約更改後の会見では「主戦力で頑張れるようにやっていきたい」とセットアッパーへの復帰を目指すと意気込んだ。
チームに頼れる中継ぎは何人いても困らない。年男という縁起の良い年にベテランの復活となれば、優勝の確率もグッと上がるだろう。
2年目の小川一平も飛躍を狙う
同じく年男で勝ちパターンの一角を狙っているのが小川一平だ。桑原のひと回り下の小川は、2021年で24歳になる。今年はルーキーながら開幕一軍を勝ち取り、中継ぎとして21試合に登板。防御率は4.71と満足のいく数字ではなかったが、9月5日の巨人戦以降は7試合連続無失点でシーズンを終えており、手応えは悪くないはずだ。
開幕前の練習試合で矢野監督が「勝ちパターンに入ってきてもおかしくない投球」と絶賛していただけに、春季キャンプやオープン戦で結果を残せば、試合終盤を任されても不思議ではない。
他に、望月惇志と奥山皓太も年男。望月は150キロを超えるストレートを持ちながら、ここまで結果を残せていない。2018年に中継ぎで37試合に登板したものの、一軍に定着できなかった。昨年も中継ぎで16試合に登板し防御率5.21と苦しんだ一方、二軍では先発起用もあった。
2021年の役割ははっきりとしていないが、契約更改後の会見では「先発、中継ぎどちらになるか分かりませんが、投げさせて頂けるところで自分のパフォーマンスをしっかり出して、チームの勝利に貢献できるよう頑張りたいと思います」とコメントしている。どのような役割になったとしても、そろそろ結果を出したいところだろう。
育成の奥山は二軍で17試合に出場し、打率.091と打撃面ではまだまだ課題がある。まずは二軍で結果を出し、支配下登録を目指すことになる。
外国人選手の大型補強も進んでいるが、16年ぶりのリーグ優勝には既存戦力の底上げも欠かせない。桑原や望月といった年男たちの成長が期待される。
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