先発ローテ定着が期待される2年目左腕・坂本裕哉
子年だった2020年は岡本和真(巨人)、栗原陵矢(ソフトバンク)ら1996年生まれの選手がチームを牽引し、岸孝之、牧田和久(ともに楽天)ら1984年生まれの選手が健在ぶりを見せるなど、多くの年男が活躍した。
2021年は丑年生まれの選手が年男。横浜DeNAベイスターズでは大卒2年目の坂本裕哉、蝦名達夫ら1997年生まれの選手たちが年男を迎える。
2019年ドラフト2位で入団した坂本は、高校時代を福岡大大濠高で過ごした。1年秋からベンチ入りすると、2年夏は4回戦、3年夏は5回戦に進出。甲子園出場はならなかったものの、角度のあるストレートを武器に好投を披露した。当時の1学年後輩には、浜地真澄(現阪神)がいた。
立命館大では2年時からリーグ戦登板を果たし、秋には初勝利。3年時には先発2番手、4年時には主戦と順調にステップアップし、通算16勝をマークした。3年春、4年春と全日本大学野球選手権にも出場して好投し、世代屈指の左腕として活躍。大学の2学年先輩でもある東克樹と同じ、DeNA入団を果たす。
ルーキーイヤーの2020年は、春季キャンプからアピールに成功。オープン戦でも好投を見せて開幕ローテーション入りを果たすと、デビュー戦で5回まで無安打に抑える快投を見せ、6回1安打無失点でプロ初登板初勝利をマークした。しかし、以降は故障などもあり、10試合で4勝1敗と勝ち越すも、防御率5.67と不本意な成績に終わってしまった。左腕投手ながら、左打者に対して被打率.333と苦戦した。
2021年は課題を克服し、開幕から先発ローテーションを守り抜いて20試合以上登板・規定投球回到達・二桁勝利・防御率3点台を期待したい。
初安打初本塁打をマークしたスラッガー候補・蝦名達夫
2019年ドラフト6位で入団した蝦名達夫も、大卒2年目の年男だ。青森商業高では1年夏から3番・遊撃でレギュラーを掴むと、2年夏には4番・遊撃で2本塁打をマーク。3年夏には4番・三塁でベスト8進出に貢献するも、甲子園出場はならず。高校通算31本塁打を放ち、強打の内野手として注目を浴びた。
青森大では1年秋からリーグ戦に出場し、いきなり打点王・ベストナインを獲得。3年からは外野に転向し、4年時には主将としてチームを引っ張り、春には本塁打王、秋には首位打者を獲得して最後のリーグ戦を優勝で飾った。4年間で4度のベストナインに輝くなど、大学球界屈指のスラッガーとしてプロ入りを果たす。
プロ入り後は春季キャンプを一軍スタートと高評価を得るも、序盤に左手の指を骨折し離脱。オープン戦出場は叶わなかったものの、アレックス・ラミレス監督に打撃の才能を見出され、開幕一軍をつかみ取った。しかしわずか1試合出場で登録抹消となり、その後はファームで出場。8月下旬から9月にかけて4戦連発、6戦連続マルチ安打と猛アピールし再昇格すると、9月10日の試合で代打出場し、プロ初安打を本塁打で飾った。
この一発で強烈なインパクトを残したものの、昨年は17試合で打率.143(21打数3安打)、1本塁打、1打点、OPS.583と本来の力を発揮することはできなかった。今年は梶谷隆幸のFA移籍により、外野のポジション争い激化が予想されるが、まずは一軍定着を果たしたい。いきなりスタメン定着とはならなくとも、右の代打や代走、守備固めとしてのチャンスを掴み取りたいところだ。
育成3年目を迎えるレミー・コルデロもまた、1997年生まれの年男だ。昨年はファーム22試合で2勝1敗、防御率4.97といまひとつだったものの、25.1回で35奪三振と光るものも見せた。今年は支配下昇格、一軍初登板に期待がかかる。坂本、蝦名と同じ大卒2年目には伊勢大夢もいるが、1998年3月7日生まれのため年男を迎えるのは2022年となる。
24歳と言えば高卒なら6年目、大卒なら2年目。チームの主力を張る選手も増え、徐々に若手とは呼ばれなくなってくる年齢でもある。坂本、蝦名らDeNAの年男たちにも、2年目の飛躍を期待したい。
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