明治大と亜細亜大が7人でトップ
プロ野球の投手タイトルのうち最多勝、最優秀防御率、最多セーブ(最優秀救援投手含む)のタイトルを獲得した投手の出身大学をランキングにしてみた。2リーグ制となった1950年以降で3タイトルのいずれかを獲得した投手の人数を合計。同一投手が複数回タイトルを獲得しても1人とカウントしている。
1位は明治大と亜細亜大が7人で並んだ。明治大からは、「フォークの神様」と呼ばれた杉下茂が中日時代に2度の最多勝と1度の最優秀防御率に輝き、大学時代にリーグ戦通算33勝を挙げて大洋入りした秋山登が1960年に最優秀防御率のタイトルを獲得した。引退後に監督としても多大な功績を残した星野仙一は明大から中日に入団して1975年に最多セーブのタイトル獲得。通算146勝34セーブをマークした。
鹿取義隆は西武時代の1990年に最優秀救援投手、武田一浩は日本ハム時代の1991年に最優秀救援投手、ダイエー時代の1998年に最多勝、メジャーでも活躍した川上憲伸は中日時代に2度の最多勝、大学通算30勝を挙げドラフト1位で広島入りした野村祐輔は2016年に最多勝に輝いた。
亜細亜大からは、プロ通算116勝130セーブを挙げた山本和行(元阪神)が2度の最優秀救援投手、阿波野秀幸(中日一軍投手コーチ)は近鉄のエースとして1989年に最多勝に輝き、優勝に貢献した。NTT東京を経て中日入りした与田剛(中日監督)はルーキーイヤーの1990年に最優秀救援投手、高津臣吾(ヤクルト監督)はヤクルト時代に4度の最優秀救援投手に輝いた。
大学時代にドラフトで8球団競合の末に当たりくじをひいたロッテへの入団を拒否し、松下電器を経て近鉄入りした小池秀郎は1997年に最多勝、沖縄尚学時代にセンバツ優勝し、亜細亜大からドラフト1位でソフトバンク入りした東浜巨は2017年に最多勝、山崎康晃は2018年から2年連続最多セーブに輝いている。
3位は6人の駒澤大、4位は5人の早稲田大
3位は6人の駒澤大。史上初めて12球団から勝利を挙げた野村収は大洋時代の1978年に最多勝、森繁和(前中日監督)は西武時代の1983年に最優秀救援投手、河野博文は日本ハム時代の1988年に最優秀防御率に輝いた。
さらに佐賀商時代に甲子園でノーヒットノーランを達成した新谷博は西武時代の1994年に最優秀防御率、メジャーでも活躍した高橋尚成は巨人時代の2007年に最優秀防御率、駒大時代に通算23勝を挙げ日本通運を経て日本ハム入りした武田久は3度の最多セーブに輝いている。
4位は早稲田大が5人で続いた。大昭和製紙を経てヤクルト入りした安田猛はルーキーイヤーの1972年から2年連続最優秀防御率、2浪して早稲田大に入った小宮山悟はロッテ時代の1997年に最優秀防御率、大学通算24勝を挙げた藤井秀悟はヤクルト時代の2001年に最多勝、大学時代に476奪三振の新記録を樹立した和田毅はソフトバンク時代に最多勝2回、2014年ドラフト1位で日本ハム入りした有原航平は2019年に最多勝のタイトルを獲得した。
5位タイに法政大、専修大、東海大、日本大
5位は3人の4校が並んだ。法政大から戦争を挟んで戦後に南海入りした柚木進は2度の最優秀防御率、江藤正は南海時代の1951年に最多勝、大学時代に通算47勝を挙げた江川卓は2度の最多勝と1度の最優秀防御率に輝いている。
専修大も3人。梶岡忠義(元阪神)は1952年に最優秀防御率、中村高(高知)時代にセンバツ準優勝して旋風を巻き起こし、専大を経てドラフト1位で阪急入りした山沖之彦は1984年に最優秀救援投手、1987年には最多勝に輝いた。メジャーでも通算79勝を挙げた黒田博樹は広島時代に最多勝と最優秀防御率を各1回獲得している。
東海大から1977年ドラフト3位で大洋入りした遠藤一彦は1983年から2年連続最多勝、第1回WBCで胴上げ投手となった大塚晶文は近鉄時代の1998年に最優秀救援投手、巨人のエースナンバーを背負う菅野智之は2度の最多勝、4度の最優秀防御率に輝いている。
日本大も3人のタイトルホルダーを輩出している。佐藤道郎は南海時代に最優秀防御率2回、最多セーブ2回。1976年ドラフト1位で阪急入りした佐藤義則は最多勝と最優秀防御率を各1回、2019年にヤクルト一筋の現役生活を終えた館山昌平は2009年に最多勝のタイトルを獲得している。
9位タイに慶応大、立教大など5校並ぶ
9位タイには5校が並んだ。慶応大から社会人を経てプロ入りした大島信雄は松竹時代の1950年に最優秀防御率、引退後に巨人の監督も務めた藤田元司は1959年に27勝で最多勝に輝いた。
立教大で長嶋茂雄の1年先輩だった堀本律雄は、巨人入りした1960年に最多勝、沢村賞、新人王に輝いた。大学時代は長嶋茂雄と同級生でリーグ戦通算36勝を挙げた杉浦忠は、南海のエースとして最多勝と最優秀防御率のタイトルを1度ずつ獲得するなどプロ通算187勝をマークしている。
京都産業大も2人。大阪ガスを経てロッテ入りした成本年秀は1996年に最優秀救援投手、現在はMLBマリナーズに所属する平野佳寿はオリックス時代の2014年に最多セーブに輝いた。
関西大から阪神入りして「ミスタータイガース」と呼ばれた村山実は、2度の最多勝と3度の最優秀防御率、松下電器を経て阪急入りした山口高志は1978年に最優秀救援投手に輝いた。
九州共立大も2人輩出している。ソフトバンクの守護神として活躍した馬原孝浩は2007年に最多セーブ、2013年ドラフト1位で広島入りした大瀬良大地は2018年に最多勝のタイトルを獲得した。
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