1位:明治大22人
高校時代はプロから声がかからなくても大学に入ってから大きく伸びる選手は多い。ただ、裏を返せば、大学時代にドラフト指名されなければプロを諦める選手も多いと言える。では、プロ野球選手を最も多く輩出している大学はどこなのか。2020年現役選手の出身大学を調べてみた。
1位は22人の明治大学。かつては「御大」と呼ばれた島岡吉郎監督の厳しい指導が有名だったが、現在もその伝統は受け継がれている。明大出身の最年長選手は阪神・荒木郁也。2010年ドラフト5位で入団し、今季でプロ10年目となる。
広陵高時代に夏の甲子園で準優勝した野村祐輔は、大学通算30勝をマーク。2001年ドラフトで広島から1位指名され、2016年には16勝で最多勝に輝くなど実績をあげている。
昨年のドラフトでは大学通算13勝の森下暢仁が1位で広島入団。佐々岡真司監督やツインズ・前田健太らが背負っていた背番号18を継承し、大きな期待をかけられている。
2位:亜細亜大17人
2位は17人の亜細亜大。明治大以上に厳しさで有名なだけに、培った精神力はプロで生き抜いていくための礎となるのかも知れない。
最年長はソフトバンク・松田宣浩。大学時代は東都2部降格の悔しさも味わったが、通算15本塁打を記録し、希望枠でソフトバンクに入団した。プロ入り後は通算274本塁打を放っており、主軸として、チームリーダーとして欠かせない存在となっている。
他にも2017年最多勝のソフトバンク・東浜巨、広島のセ・リーグ3連覇に貢献した九里亜蓮、通算163セーブのDeNA・山﨑康晃、2017年に15勝を挙げた広島・薮田和樹、阪神で井川慶の背番号29を受け継いだ髙橋遥人ら好投手を多く輩出している。
3位:早稲田大16人
早稲田大は16人で3位。最年長は「松坂世代」和田毅。2月生まれのため39歳だが、同級生の多くは今年40歳になる。大学時代に通算27勝、476奪三振をマークした左腕は、プロでも日米通算135勝を挙げている。
和田の1学年下が、阪神からロッテに移籍した鳥谷敬とヤクルト・青木宣親。大学時代にリーグ戦4連覇を果たし、ともにプロで2000安打を達成したレジェンドだ。
他にも日本ハム・斎藤佑樹、楽天・福井優也の「ハンカチ世代」や昨季15勝で最多勝に輝いた日本ハム・有原航平ら個性的な面々が揃っている。
毎年のようにプロに選手を送り出していたが、2019年ドラフトでは12年ぶりに指名されず話題になった。
4位:東海大12人
12人で4位タイは東海大だった。最年長は「松坂世代」の楽天・久保裕也。首都大学リーグ通算33勝をマークし、自由獲得枠で巨人に入団すると主に中継ぎとして活躍した。DeNAを経て、楽天でプロ18年目のシーズンに臨んでいる。
久保に続く世代が菅野智之と田中広輔の東海大相模高時代からの同級生コンビ。原辰徳監督の母校ということもあって、12人中4人が巨人に在籍している。
4位:東洋大12人
東海大と並ぶ4位タイが東洋大。最年長はロッテ・清田育宏だ。NTT東日本を経てプロ入り後は10年で通算849試合、666安打を記録している。
2018年のドラフトでは一気に4人が指名された。東都新記録の1試合20奪三振をマークした上茶谷大河がDeNA1位、4年時に最速159キロをマークした甲斐野央がソフトバンク1位、上茶谷、甲斐野とともに「東洋大三羽烏」と呼ばれた梅津晃大が中日2位、プロ野球で「最後のPL戦士」と呼ばれる中川圭太がオリックス7位。4選手ともプロ入り後、1軍出場を果たしており、さらなる活躍が期待される。
6位:中央大11人
6位タイが中央大。阿部慎之助2軍監督の母校ということもあってか、11人中4人が巨人に在籍している。最年長は亀井善行。上宮太子で甲子園に出場し、大学進学後は1年春からレギュラーをつかんだ。東都通算10人目の100安打を達成してドラフト4位で巨人入団。プロ入り後も巨人一筋で過ごし、ここまで通算993安打と大台到達が目前に迫っている。
巨人に次いで多いのが3人のロッテ。楽天からFA移籍した美馬学はプロ通算51勝、井上晴哉は通算52本塁打を記録している。
6位:慶応大11人
中央大と同じく11人で6位タイが慶応大だ。最年長は伊藤隼太。プロ入り後はレギュラーをつかむには至っておらず、2020年にはコロナウイルス感染も発覚し、影響が心配される。
比叡山高校から浪人して入学した岩見雅紀は、4年秋のリーグ戦で5試合連続本塁打を放つなど大学通算21発のパワーを買われ、ドラフト2位で楽天入りした。
また、昨年のドラフトでは一挙4人がプロ入り。津留﨑大成が楽天3位、郡司裕也が中日4位、柳町達がソフトバンク5位、植田将太がロッテ育成2位で指名された。
8位:大阪商業大10人
8位は10人の大商大。古くは大洋で通算128勝を挙げた齊藤明雄、「メカゴジラ」と呼ばれた元横浜・佐伯貴弘、オリックス、巨人で通算1928安打を放った谷佳知ら名選手を輩出している関西の雄だ。
東洋大と慶応大の4人には及ばないものの、大商大も昨年のドラフトで一挙3人がプロ入りした。橋本佑樹が中日2位、大西広樹がヤクルト4位、小野寺暖が阪神育成1位で、今後の活躍が期待される。
最年長は楽天で中継ぎとして4年連続60試合以上に登板した福山博之。大学通算15勝の岡田明丈はドラフト1位で広島に入団し、2017年には12勝をマークする活躍を見せた。
9位:法政大9人
9位には3校が並んだ。かつて田淵幸一、山本浩二、富田勝の「法政三羽烏」を輩出するなど多くのプロ野球選手がいた法政大だが、2020年の現役は9人。最年長の三上朋也はJX-ENEOSを経てDeNA入団。大学の1年後輩で先にプロ入りしていた三嶋一輝と再びチームメートになった。
9位:近畿大9人
近畿大は9位タイ。最年長は7月で38歳になる糸井嘉男。大学時代は投手として関西学生リーグで9勝をマークし、自由獲得枠で日本ハムに入団した。プロ3年目に野手転向してから秘めた才能が開花。オリックス、阪神と渡り歩いて通算1624安打、163本塁打、297盗塁をマークする一流プレーヤーとなった。
昨年のドラフトでは近大卒業後、大阪ガスに入社した小深田大翔が楽天1位、村西良太がオリックス3位でプロ入りした。
9位:青山学院大9人
青山学院大も9人で9位タイ。ロッテ・井口資仁監督の母校としても知られるが、現役最年長はヤクルト・石川雅規。大学時代はシドニー五輪に出場し、通算23勝を挙げて自由獲得枠でヤクルトに入団した。プロでも通算171勝をマークしており、不惑の左腕はまだまだ健在だ。
吉田正尚は青学大1年春からレギュラーとして出場。4年時は東都リーグ2部でプレーしたが、ユニバーシアードには大学日本代表の4番として出場し、優勝に貢献した。2015年ドラフト1位でオリックス入りすると、昨年は自己最多の29本塁打をマークするなど和製大砲として活躍している。
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