法政大が6人でトップ、2位タイに早稲田大と日本大
プロ野球の打撃タイトルで主要3部門とされる首位打者、本塁打王、打点王。2リーグ制となった1950年以降で3タイトルのいずれかを獲得した選手の出身大学をランキングにしてみた。同一選手が複数回タイトルを獲得しても1人とカウントし、主要3タイトルの合計人数でランキングしている。
1位は6人のタイトルホルダーを輩出した法政大。阪急の4番として本塁打王と打点王を3度ずつ獲得した長池徳士、何度も王貞治に阻まれながら1975年に本塁打王に輝いた田淵幸一(元阪神)、「ミスター赤ヘル」と呼ばれ、首位打者1回、本塁打王4回、打点王3回の山本浩二(元広島)、大洋時代の1982年に首位打者に輝いた長崎啓二、近鉄時代の1987年に首位打者を獲得した新井宏昌、日本ハム時代の2007年に首位打者に輝き、現在は侍ジャパンの監督を務める稲葉篤紀の6人だ。いずれも球史に残る名プレーヤーばかり。先輩諸氏に続く法政出身選手の活躍が待たれる。
2位は4人の早稲田大。森徹は中日時代の1959年に本塁打、打点の二冠王、谷沢健一は中日の主軸として2度の首位打者、中退後にプリンスホテルを経てプロ入りした石井浩郎は近鉄時代の1994年に打点王、青木宣親はメジャー移籍前のヤクルト時代に3度の首位打者に輝いている。
同じく4人で並ぶのが日本大。戦前は投手として活躍し、戦後に打者転向した西沢道夫は、1952年に首位打者と打点王の二冠に輝くなどの実績を残し、背番号15は中日の永久欠番となった。田宮謙次郎は日大を中退して阪神に入団し、1958年に首位打者、大学でリーグ通算20発の村田修一は横浜時代の2007年から2年連続本塁打王、2度の指名拒否を経て巨人入りした長野久義は2011年に首位打者に輝いている。
慶応大、専修大が3人で並ぶ
3位には慶応大と専修大が並んだ。慶応大は大映時代の1952年に首位打者に輝いた飯島滋弥、2リーグ分立直後の1950年に毎日の主軸として本塁打、打点の二冠王に輝いた別当薫、阪急の主軸として1961年に本塁打王のタイトルを獲得した中田昌宏の3人。いずれも戦後間もない頃の選手だけに、新たな慶応出身のスター誕生に期待したい。
専修大も3人で4位タイ。杉山光平は「円月打法」と呼ばれた独特のフォームで、南海時代の1959年に首位打者、専大から熊谷組を経てプロ入りした森永勝治は広島時代の1962年に首位打者、大学通算18本塁打を放ったソフトバンク・長谷川勇也は2013年に首位打者に輝いている。
現役は4人だけ…大卒のタイトルホルダー誕生に期待
6位には5校が並んだ。東北福祉大から広島入りし、阪神にFA移籍した金本知憲は2004年に打点王。神戸製鋼を経てプロ入りした和田一浩は西武時代の2005年に首位打者に輝いた。
明治大からは「青バット」の大下弘が首位打者と本塁打王を各3回獲得。広沢克己は1991年と1993年に打点王に輝き、93年は優勝に貢献した。
中央大から大洋入りした桑田武は1959年に本塁打王、1961年に打点王獲得。長く巨人の正捕手を務めた阿部慎之助(現二軍監督)は2012年に首位打者、打点王の二冠に輝いた。
東洋大は個性派の2人を輩出している。東洋大中退後に東芝府中を経てプロ入りした落合博満は3度の三冠王を含む、首位打者、本塁打王、打点王を各5回獲得。大学時代にアトランタ五輪に出場した今岡誠は阪神の主軸として2003年に首位打者、2005年に打点王に輝き、チームの優勝に貢献した。
関西の雄・近畿大からプロ入りし、「ミスター・ロッテ」と呼ばれた有藤道世は1977年に首位打者。大学時代に関西学生リーグで通算9勝を挙げ、プロ入り後に打者転向した糸井嘉男は、オリックス時代の2014年に.331で首位打者に輝いた。
ランキングに登場した中で現役選手は青木宣親、長谷川勇也、長野久義、糸井嘉男の4人のみ。出身高校のランキングに比べて現役が少ないのは、それだけ高校野球のレベルが上がっているためかも知れないが、新たな大卒のタイトルホルダーが増える日を楽しみに待とう。
《関連記事》
・プロ野球タイトルホルダーの出身高校ランキング【打者編】
・プロ野球タイトルホルダーの出身高校ランキング【投手編】
・プロ野球タイトルホルダーの出身大学ランキング【投手編】
・2020年度プロ野球選手出身高校ランキング
・2020年度プロ野球選手出身大学ランキング
・2020年度プロ野球選手出身社会人チームランキング