1位:JX-ENEOS 11人
プロ野球に入るルートの中で、高校や大学に比べると、社会人チームからのプロ入りが最も狭き門かも知れない。年齢的に即戦力として評価されることが多いからだ。ましてや景気に左右される社会人チームは最盛期に比べて大きく減少しており、当然ながら高卒や大卒選手より人数も少ない。そんな社会人チームで多くのプロ野球選手を輩出しているのはどこなのか。2020年の現役選手でランキングを作成した。
1位には2チームが並んだ。JX-ENEOSは最年長の三上朋也と井領雅貴、嘉弥真新也の3人を筆頭に11人がプロで活躍している。1950年に日本石油野球部として創部され、大洋で通算201勝を挙げた平松政次や、メジャーで活躍する田澤純一ら多くのプロ野球選手を輩出してきた。
都市対抗では2012、2013年に連覇するなど優勝11回を誇る社会人野球の名門。昨年まで慶応大で指揮を執っていた大久保秀昭監督が今季から復帰している。
1位:JR東日本11人
JX-ENEOSと並ぶ1位タイがJR東日本。最年長の十亀剣は2011年都市対抗で優勝に貢献し、その年のドラフト1位で西武に入団した。
プロ入りした十亀の穴を埋めたのが吉田一将だった。2012年の都市対抗でチームを準優勝に導き、久慈賞と若獅子賞を同時受賞。翌2013年も準優勝し、オリックスにドラフト1位で入団した。
吉田とチームメートとしてプレーした田中広輔は同年ドラフトで広島に3位で入団。プロ入り後は635試合連続フルイニング出場を果たすなどレギュラーとして活躍している。
3位:トヨタ自動車10人
3位は10人のトヨタ自動車。最年長は長野商から大学を経ずに入社し、2004年ドラフトの自由獲得枠でオリックスに入団した金子弌大だ。プロでは最多勝のタイトル2度獲得するなど通算128勝を挙げている。
金光大阪高校から入社し、ドラフト1位で中日に入団した吉見一起もプロで2度の最多勝。通算89勝をマークしている。
4位:大阪ガス9人
大阪ガスは9人で4位タイ。最年長は鳥取城北高時代に平安・川口知哉(元オリックス)・水戸商・井川慶(元阪神など)とともに「高校生左腕三羽烏」と呼ばれた能見篤史。3人の中でプロ入りは最も遅かったが、阪神では5度の2桁勝利を挙げるなど通算103勝をマークしている。
阪神では昨季、新人ながら盗塁王に輝いた近本光司も大阪ガス出身。さらに近本と同じ俊足巧打の左打者・小深田大翔は2019年ドラフトで楽天に1位で入団した。
4位:ホンダ9人
大阪ガスと並んで9人で4位だったのはホンダ。最年長の長野久義は日大時代に日本ハムの4位指名を断り、ホンダでもロッテの2位指名を拒否。2009年のドラフトでようやく念願だった巨人から1位指名を受け、プロ入りを果たした。2019年からはFA移籍した丸佳浩の人的補償として広島に移籍。プロ通算10年で1316安打、142本塁打をマークしている。
6位:日本生命8人
6位は8人の日本生命。日本生命出身に限らず、球界全体でも最年長となった福留孝介は、PL学園時代にドラフトで7球団競合の末に交渉権を獲得した近鉄への入団を拒否し、日本生命に入社した。アトランタ五輪に出場して銀メダル獲得に貢献するなど活躍し、ドラフト1位で中日に入団。プロでも、2016年に日米通算2000安打を達成するなど、輝かしい実績を残している。
広陵高時代に野村祐輔(現広島)とバッテリーを組んで甲子園で準優勝した小林誠司は、同志社大を経て日本生命に入社。社会人ベストナインに輝く活躍で巨人にドラフト1位で入団した。
7位:ホンダ鈴鹿7人
7人ののホンダ鈴鹿は7位だった。最年長は飯田大祐。常総学院から中央大学を経て入社し、都市対抗などで活躍し、2016年ドラフトでオリックスから7位指名された。
また、2019年のドラフトでは瀧中瞭太が楽天6位、柘植世那が西武5位と、一気に2人が指名された。
8位:東京ガス6人
東京ガスは6人で8位タイ。最年長は巨人の左腕エースとして活躍した内海哲也だ。敦賀気比高時代にオリックスから1位指名されたが、入団を拒否して東京ガスに入社。シダックスの補強選手として都市対抗に出場し、準優勝に貢献した。巨人で通算133勝を挙げたが、FA移籍した炭谷銀仁朗の人的補償で2019年から西武入りした。
同じ西武には榎田大樹、ロッテには美馬学と石川歩、オリックス・山岡泰輔と6人中5人を投手が占めている。
8位:パナソニック6人
東京ガスと並ぶ8位がパナソニック。最年長の岡﨑太一が入社した頃はまだ社名が松下電器だった。智弁学園から入社した岡﨑は、ともに2004年ドラフトでプロ入りする久保康友(元ロッテなど)とのバッテリーで活躍し、自由獲得枠で阪神に入団した。
10位:NTT東日本5人
10位は5人のNTT東日本。最年長の清田育宏は2009年のドラフト4位でロッテに入団、1学年下の井納翔一は2012年ドラフト3位でDeNAに入団した。
10位:東芝5人
NTT東日本と並んで10位が東芝。最年長はプロ通算163セーブの増井浩俊だ。駒大から入社して3年目に素質開花し、2009年のドラフト5位で日本ハム入団。クローザーとして活躍し、2017年オフにFA宣言してオリックスに移籍した。
同じくオリックスの安達了一も東芝出身。2010年の都市対抗では若獅子賞を受賞する活躍を見せ、翌2011年のドラフトで1位指名された。
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