日米通算170勝の岩隈、最後にもう一花咲かせるか
2004年オフにオリックスとの球団合併で消滅した近鉄出身のプロ野球選手で、2020年も現役でプレーしているのは巨人・岩隈久志とヤクルト・近藤一樹、坂口智隆の3人しかいない。岩隈は39歳、近藤は7月で37歳、坂口は7月で36歳と、いずれもベテランと呼ばれる年齢だ。
現役として残された時間は多くないが、かつての近鉄ファンにとっては、3人が1日でも長くプレーすることが願いだろう。
堀越高から1999年ドラフト5位で入団した岩隈は近鉄時代に若きエースとして活躍。190センチの長身から投げ下ろすストレートを武器に、2003年から2年連続15勝を挙げ、2004年は最多勝と最高勝率の2冠に輝いた。
同年オフには合併したオリックス入りを拒否し、大騒動の末に楽天入団。2008年には21勝、防御率1.87、勝率.840で主要3タイトルを独占、沢村賞、パ・リーグMVPに輝いた。
2011年オフにFA宣言して米大マリナーズに移籍。メジャー実働6年で計63勝を挙げた。これまで日米通算170勝。巨人のユニフォームに袖を通した2019年は1軍で登板できず、200勝は厳しい状況だが、もう一度マウンドに立つ姿を見たいものだ。
近藤は中継ぎで大車輪の活躍
日大三高のエースとして夏の甲子園で優勝し、2001年ドラフト7位で入団した近藤一樹は、近鉄時代の2004年にプロ初勝利を挙げた。オリックス時代の2008年にはプロキャリアで唯一の2桁勝利となる10勝をマーク。2016年シーズン中に八木亮祐との交換トレードでヤクルトに移籍すると、2017年から3年連続50試合以上に登板。2018年には7勝35ホールドで最優秀中継ぎ投手のタイトルに輝いた。
ここまでプロ通算43勝で節目の50勝まであと7に迫っており、投球回は823.1回と通算1000投球回にも手の届くところまで来ている。今季も年齢を感じさせない大車輪の働きに期待がかかる。
坂口は近鉄在籍経験者5人目の2000安打なるか
神戸国際大付属高から2002年ドラフト1位で近鉄に入団した坂口は、俊足巧打の外野手としてオリックスで安打を積み重ねたが、ケガで36試合の出場に終わった2015年オフに球団から大幅な減俸を提示され、自由契約となった末にヤクルトに移籍。2016年から3年連続150安打以上をマークする活躍を見せた。
昨季は故障で22試合の出場にとどまったが、2020年オープン戦は12試合に出場しており、心配はなさそうだ。
ここまで通算1408安打。年齢的に微妙ではあるが、150本ペースで打てば4年で2000安打に到達する。近鉄に在籍したことのある選手で2000安打を達成したのは土井正博、加藤英司、新井宏昌、中村紀洋の4人しかいない。坂口が5人目にして最後の達成者となるか、今後に注目だ。
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