第1回大会優勝の京都二中、平安は3度の全国制覇
故郷の代表校の、夏の甲子園での最高成績をご存知だろうか。何度も全国制覇した都道府県もあれば、頂点に届きそうで届かない都道府県もある。そこで夏の甲子園での最高成績を都道府県別に紹介する。今回は優勝4回の京都府、準優勝1回の滋賀県、優勝1回の岐阜県。
長い高校野球の歴史において、栄えある第1回大会の優勝校が京都二中(現鳥羽)だ。まだ甲子園はなく、大阪の豊中グラウンドで10校が参加して行われた。
京都二中は高松中を15-0で下すと、続く和歌山中とは降雨引き分けとなり再試合を9-5を勝利。決勝では秋田中と延長13回の熱闘を演じ、2-1でサヨナラ勝ちした。
京都勢2度目の優勝は1938年の平安(現龍谷大平安)だった。海草中(現向陽)、大分商、浅野中、高崎商を下し、決勝では岐阜商に2-1で逆転サヨナラ勝ちした。
平安2度目の優勝が1951年の第33回大会。希望ヶ丘、松商学園、都島工を下し、準決勝では後にプロで244本塁打を放つ「怪童」中西太のいた高松一との接戦を制した。決勝は熊谷を7-4で下し、戦後初の全国制覇。エースの清水宏員と捕手の上市明は卒業後にプロ入りしている。
さらにその5年後、平安は3度目の優勝を果たす。徳島商、滑川、浪華商(現大体大浪商)、西条を破り、決勝では岐阜商に3-2。京都府代表として4度目の全国制覇となった。
その後、龍谷大平安は2014年にセンバツ初優勝。京都勢としては京都一商(現西京)も1948年センバツを制している。
滋賀は近江が2001年に準優勝
滋賀県勢は2001年に近江が準優勝したのが最高だ。
それまでは1980年の瀬田工、1985年の甲西がベスト4入りしたのが最高だった。2001年の第83回大会、近江の鮮やかなブルーのユニフォームが躍動する。
盛岡大付に4-1、塚原星雲(現松本国際)に11-1、光星学院(現八戸学院光星)に8-6、松山商に5-4と勝ち進み、滋賀県勢として初の決勝進出。多賀章仁監督が竹内和也(元西武)、島脇信也(元オリックス)、清水信之介のタイプの違う3投手をうまく継投しての快進撃だった。
日大三との決勝は2-5で敗れたが、堂々の準優勝。その後、近江は2018年にベスト8入りしたが、決勝進出したのは2001年の一度きりだ。
名門・県岐阜商は戦前に春3度、夏1度優勝
岐阜県勢は名門・県岐阜商が1936年に優勝している。
夏は1936年の第22回大会が初出場だったが、春のセンバツはそれまでに5回出場し、1933年と1935年に優勝していた岐阜商。初戦の盛岡商に18-0で大勝すると、鳥取一中(現鳥取西)に4-1、和歌山商に9-1、育英商(現育英)に7-1と勝ち進み、決勝では平安中に9-1で初出場初優勝を飾った。
その後、1940年センバツでも優勝。県岐阜商の夏の甲子園28回出場は全国5位タイ、39勝は全国8位、センバツ29回出場は全国4位、48勝は全国3位タイとなっており、まさしく岐阜の高校球界を引っ張ってきた存在だ。
近年は大垣日大や中京学院大中京に押され気味だったが、秀岳館を3季連続甲子園4強に導いた鍛治舍巧監督が2018年に就任。伝統のユニフォームも一新して強化を図っている。2020年センバツに出場だったが新型コロナウイルスの感染拡大によって中止となり、2020年甲子園高校野球交流試合では明豊に2-4で敗れた。
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