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東京六大学野球春季リーグ戦力分析、3年ぶり勝ち点制復活

2022 4/8 11:00福岡塁
明治神宮球場,Ⓒyu_photo/Shutterstock.com
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大学野球最古のリーグ

大学野球最古の歴史を誇る東京六大学野球春季リーグ戦が9日、開幕する。昨年は慶大が1991年以来、30年ぶりとなる春秋連覇を果たした。選手がガラリと入れ替わる春。各6校の戦力を昨秋の順位順に分析する。

慶応大 下山、朝日の二遊間コンビ健在

慶大は福井(大阪桐蔭、現トヨタ自動車)や正木(慶應、現ソフトバンク)ら主力野手が卒業も、廣瀬(3年、慶應)を軸に、主将の下山(4年、慶應)、朝日(4年、彦根東)の二遊間コンビが健在。

現役最多の通算7勝を挙げる増居(4年、彦根東)に続く先発2番手の台頭次第では3連覇も狙える位置にいる。3月の社会人対抗戦でデビューした外丸(1年、前橋育英)ら新戦力投手の台頭に期待したい。

早稲田大 蛭間、中川ら左の強打者が揃う

早大は徳山(大阪桐蔭、現DeNA)、西垣(報徳学園、現楽天)が抜け、先発陣の整備が急務。リーグ戦登板経験のある飯塚(3年、習志野)、清水(3年、履正社)、そして新戦力の伊藤(1年、仙台育英)らが盛り立てたいところだ。

野手はプロ注目で通算10本塁打の蛭間(4年、浦和学院)、主将の中川(大阪桐蔭、4年)、熊田(3年、東邦)、吉納(2年、東邦)と左の強打者が揃う。20年秋以来の天皇杯奪還へ、小宮山監督の采配にも注目が集まる。

明治大 瀬なるか1年生4番デビュー

明大も竹田(履正社、現三菱重工West)や磯村(中京大中京、現トヨタ自動車)ら先発陣が卒業した穴を埋めたいところ。昨年、ルーキーイヤーで2勝を挙げた藤江(2年、大阪桐蔭)や、通算14試合に登板している渡部(4年、千葉黎明)が柱となれば、19年春以来の優勝も近づく。

野手の注目は社会人対抗戦で1年生ながら4番を任された瀬(天理)だ。上田(3年、愛産大三河)、宗山(2年、広陵)らと打線を引っ張ることができれば、他大学の驚異となる。

立教大 山田の通算安打数どこまで伸びるか

立大は池田(3年、智弁和歌山)、荘司(4年、新潟明訓)の先発2枚看板に、守護神の宮(4年、国学院栃木)が健在。社会人対抗戦でもベンチ入りしたルーキーの小畠(1年、智弁学園)、竹中(1年、大阪桐蔭)もチャンスをうかがう。

攻撃陣では東(福岡大大濠、現日立製作所)が卒業。現役最多62安打を放つプロ注目の主将・山田(4年、大阪桐蔭)が不動の4番として君臨すれば、17年春以来の優勝も現実味を帯びてくる。

法政大 篠木の150㌔を超える直球に注目

法大は3季連続でBクラスと低迷しているだけに、雪辱を期すシーズンとなる。投手陣の中心となる篠木(木更津総合、2年)は150キロを越える直球が武器。1メートル88の長身右腕・扇谷(4年、東邦)に尾﨑(3年、滋賀学園)、武冨(3年、日大藤沢)の両左腕らで、三浦(福岡大大濠、現DeNA)、山下(木更津総合、現ヤクルト)の穴を埋めたいところだ。

野手では二塁手でベストナインを2度獲得した主将の齋藤(4年、横浜)、身体能力の高い野尻(4年、木更津総合)らが軸。20年春以来の頂点を目指す。

東京大 松岡の強肩が他大学の機動力を封じる

97年秋以来の最下位脱出を目指す東大の注目は強肩捕手の主将・松岡(4年、東京都市大付)だ。同校から野手として初のプロ入りへ、今春は結果が欲しいところ。長打力を秘めた梅林(3年、静岡)とクリーンアップを形成し、打力もアピールする。

投手陣は井澤(4年、札幌南)が中心。昨秋の立大戦で念願の初勝利を挙げた。社会人対抗戦で登板した齋藤(4年、筑波大付)、小髙峯(4年、筑波大付)らが追随し、他大学に食らいつく。

2020年春はコロナの影響で8月開催の1回戦総当たり(1校5試合)、20年秋、21年春、21年秋と2回戦総当たり(1校10試合)だったが、今春から従来の2戦先勝による勝ち点制が3年ぶりに復活。2019年までのように、平日までもつれ込む熱い戦いをオールドファンは待ち望んでいる。

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