若い馬が活躍する傾向
23日に阪神競馬場で行われる第73回阪神大賞典。メジロマックイーンやナリタブライアン、スペシャルウィークなど、超大物が参戦していた頃に比べると華やかさはなくなった。それでも、4年連続で勝ち馬が天皇賞(春)で連対しており、本番に向けての最重要ステップレースという位置づけは変わらない。
そんな阪神大賞典にはどんな傾向があるのか。今回も過去10年の成績を基にして傾向を調べていきたい。
☆所属
連対した20頭中18頭にくわえ、勝ち馬10頭すべてが栗東所属。昨年はワープスピード(美浦)が2着と気を吐いたが、美浦所属馬が不利というデータは変わらない。

☆性別
牝馬の参戦は7頭と少ないこともあるが、2015年2着のデニムアンドルビー以来、馬券に絡んだ馬は出ていない。

☆年齢
4歳馬が【4-4-2-11】連対率38.1%、複勝率47.6%と好成績。一方、7歳以上はすべて馬券圏外に沈んでいる。

☆前走クラス
勝ち馬は前走で重賞を走った馬だけ。中でも、GⅠ組は【5-5-3-9】連対率45.5%、複勝率59.1%と好走率の高さが目立つ。重賞組以外では、条件クラス組から連対馬は出ているが、OP・L組はすべて3着以下となっている。

☆出走馬の主な前走
前走GⅠ組で連対した10頭中9頭は前走が有馬記念だった(残る一頭はジャパンCから臨戦して優勝した2020年ユーキャンスマイル)。また、前走京都記念(GⅡ)からは連対馬が出ていない。

☆前走着順
連対率が40.0%、複勝率50.0%と高い、前走2着馬が今回のプラスデータ。複勝率が66.7%もある同3着馬も入れたいところだが、残念ながら勝ち馬なし。同4着馬も同様に勝ち馬がいない。

☆前走着差
前走1着馬のうち、タイム差なしの接戦を制した馬が【3-0-0-5】と好走率が高い。一方、前走を1.8秒差以上で負けた馬は連対していない。

☆前走人気
前走で1番人気、もしくは2番人気に支持されていた馬はともに連対率30%超えと好成績。一方、同10番人気以下だと勝ち馬がいなくなる。なお、前走3番人気馬も【0-1-1-1】と連対率30%を超えているが、サンプルが3頭と少ないため今回は取り上げない。

軸として信頼したいショウナンラプンタ
阪神大賞典のデータをまとめてみよう。
【好走率アップ】
A「4歳」
B「前走GⅠ」
C「前走2着、もしくはタイム差なしで勝利」
D「前走1番人気、もしくは2番人気」
【勝ち馬なし】
E「美浦所属」
F「牝馬」
G「前走条件戦」
H「前走3着、もしくは4着」
I「前走10番人気以下」
【連対馬なし】
J「7歳以上」
K「前走OP・L、もしくは京都記念」
L「前走1.8秒差以上の負け」
まず好走率アップのデータを勝率、連対率順に並べると、以下の通りとなる。


今回の登録馬で、プラスデータを2つ持つ馬は4頭いて、これが最多となる。このうち、マイナスデータがないのはショウナンラプンタ(AC)だけ。AもC(前走2着)も勝率で見ると下から1番目と2番目。勝つとなると強調しづらいが、連対率では上から2番目と3番目の強いデータ。今回は連軸として信頼したい。
相手探しは、勝ち馬なし「E~I」のデータは無視して進めていく。◎のほかにプラスデータ2つを持つのは、ウィープディライト(AC)、ヴェローチェエラ(AD)、サンライズアース(AC)の3頭。連対率が2番目に高いC「前走2着」に該当するサンライズアースを相手筆頭とする。
ウィープディライトとヴェローチェエラはともにAの「4歳馬」。残ったプラスデータの比較では、C「前走タイム差なしで勝利」の方がD「前走1番人気」より連対率が上なので、▲ウィープディライト、△ヴェローチェエラとなる。
最後に押さえだが、最も連対率が高いデータB「前走がGⅠ」を唯一持っているブローザホーン(前走有馬記念)としたい。
◎ショウナンラプンタ
◯サンライズアース
▲ウィープディライト
△ヴェローチェエラ
×ブローザホーン
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
競馬に関しては「病気か!」というぐらい買いますが、競艇や競輪は全く買いません。30年近く競馬の仕事をしていても、思ったように馬券が当たらないのだから、素人同然の競艇や競輪が当たるはずがない、というのが理由です。その道を究めるには、時間がなんぼあっても足りませんね。
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