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ラクロスの歴史、日本代表はメダル狙える?2028年ロサンゼルス五輪で120年ぶり復活

2023 10/17 11:00田村崇仁
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競技の起源は17世紀、歴史あるカナダの国技

2028年ロサンゼルス五輪の追加競技としてラクロスが正式決定した。

日本では先端に網がついたスティックを持った大学生を街中で時々見かける程度で世の中のなじみは薄い印象だが、五輪では戦前の1904年セントルイス大会と1908年ロンドン大会で2度実施されており、実に120年ぶりの復活。公開競技としても1928年アムステルダム大会、1932年ロス大会、1948年ロンドン大会まで3度行われた。

日本ラクロス協会の資料によると、競技の起源は17世紀までさかのぼり、北米の先住民族が祭事や鍛錬のために行っていたものを入植したフランス系の移民が発見し、スポーツに発展させたものが始まりといわれる。

またその当時使用していた道具が、僧侶が持つ杖(Crosse)に似ていたことから「La-Crosse」と呼ばれるようになったという。語源はフランス語。名付け親はイエズス会のフランス人宣教師だとされている。

19世紀後半にカナダの国技となり、各国へと普及。現在はアメリカとカナダを中心に86カ国・地域が国際競技連盟である「ワールドラクロス」に加盟。世界の競技人口は約90万人に上る。

日本では1986年に慶應大学の男子学生が駐日アメリカ大使館に問い合わせ、最初にチームを結成したのが始まりとされる。

米国ではプロリーグも、五輪ルールは6人制

競技の主なルールはクロスと呼ばれる先端に網が付いたスティックで直径約6cmの硬質ゴム製のボールを操り、ゴールを狙って得点を競う。開催国となる米国はプロリーグの人気も高く、2028年ロス五輪は参加男女各6チームによる6人制で提案された。

シュート・スピードは時速150kmを超えることもあり「地上最速の格闘球技」とも呼ばれる。

通常、ラクロスは10人対10人の15分×4クオーター制で行われ、アメリカンフットボールの要素も色濃く反映されている。ただ五輪で採用された6人制は70m×36mのピッチで行われ、8分間の4クオーターで試合が行われるという。

ボディーコンタクトも激しく、選手はヘルメットやグローブなどの防具を装着。ポジションはAT(アタッカー)、MF(ミッドフィールダー)、DF(ディフェンダー)、G(ゴーリー)。FO(フェイスオファー)と呼ばれるラクロス特有のポジションもあり、クオーターの開始と得点後、コートの中心で笛の音と同時にボールを取り合う。

国際オリンピック委員会(IOC)は「米国内だけでなく世界的にも目覚ましい発展を遂げ、世界ランキングのトップ10に4つの大陸が名を連ねている」と人気の広さをアピールした。

日本代表は世界選手権5位、表彰台狙える位置

過去2度の五輪ではカナダがともに金メダル。日本代表の男子は世界選手権に1994年から正式参加し、メダルを狙える位置につけている。

2023年6~7月に米国カリフォルニア州サンディエゴで開催された世界選手権では30か国中5位。女子も2022年世界選手権で5位に入っており、五輪でも躍進が期待されそうだ。

2022年に米国アラバマ州で行われた国際総合大会、ワールドゲームズ(WG)は6人制で行われ、女子が6位、男子は3位でメダルを獲得。日本協会によると、競技人口(協会登録)は男子約5,800人、女子約7,300人、合計約13,100人。

華やかな大学スポーツも盛んで早稲田、慶應、関西学院が強く、近年は女子中高生や小学生(ジュニアラクロス)にも愛好者は増えている。

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