勝ち馬はすべて「前走3着以内」から
13日に阪神競馬場で行われる第85回桜花賞。今年は暖かくなったと思ったら、また冬に逆戻り。そんなことを何回も繰り返した。レース当日には、満開の桜をバックにして走るイメージがある桜花賞だが、これだけ寒暖差が激しいと、当日の咲き具合がどうなっているのか、ちょっと心配になる。
そんな桜の下で名勝負が繰り広げられてきたこのレースには、果たしてどのような傾向があるのか。今回も過去10年の傾向を基にして検証していきたい。
☆所属
美浦所属が4勝(6連対)、栗東所属が6勝(14連対)。勝率では美浦所属、連対率と複勝率では栗東所属が上だが、大きな差はついていない。

☆キャリア
キャリア3戦馬が4勝、2着6回。勝率以下の率もトップで、この項目のプラスデータだ。一方、キャリア7戦以上の馬はすべて馬券圏外となっている。

☆前走クラス
前走GⅠ組が勝率36.4%、連対率54.5%と、ほかのクラスの馬を圧倒している。前走GⅡ組は76頭が出走して、勝ち馬は1頭だけしかいない。また、前走が条件戦、もしくはオープン(リステッド除く)の馬はすべて4着以下だった。

☆主な前走
前走GⅠ組のほとんどが阪神JF組。今回該当馬なしの朝日杯FS組も2戦1勝と結果を出しているように「前走GⅠ組は強い」で問題ない。
チューリップ賞組はGⅢ時代(17年まで)もGⅡ昇格後も5頭の連対馬を出しているが、昇格後はすべて2着。勝ち馬は出ていない。

☆前走着順
勝ち馬10頭はすべて前走3着以内だった。前走4着以下からは勝ち馬が出ておらず、2着馬も計2頭のみ。

☆前走タイム差
まずは前走1着馬から。「0.3秒差以上で勝利」した馬の好走率が高い。「0.1~0.2秒差で勝利」は計35頭いるが、3着が1頭いるだけで連対馬が出ていない。
一方で前走2着以下の馬は「タイム差なしで負け」の好走率が高い。「0.5秒差以上で負け」からは勝ち馬は出ていない。

☆前走人気
前走で1番人気に支持されていた馬が、ほかの人気馬と比べて好走率が高い。前走2番人気は34頭中1頭しか勝っていない。また、前走4番人気や6番人気以下からは勝ち馬が出ていない。

☆その他
前走馬体重が460kkg以下だった馬からは勝ち馬が出ていない。また、前走が中山競馬場で走った馬はすべて3着以下となっている。

マイナスデータがないのは1頭だけ
桜花賞のデータをまとめてみよう。
【好走率アップ】
A「キャリア3戦」
B「前走がGⅠ」
C「前走0.3秒差以上で勝利orタイム差なしで負け」
D「前走1番人気」
【勝率ダウン】
E「前走がGⅡ」
F「前走2番人気」
【勝ち馬なし】
G「前走4着以下」
H「前走0.5秒差以上で負け」
I「前走4番人気or6番人気以下」
J「前走馬体重460kg以下」
【連対馬なし】
K「キャリア7戦以上」
L「前走が条件戦」
M「前走0.1~0.2秒差で勝利」
N「前走が中山競馬場」
まず、プラスデータを勝率順に並べてみる。結果は以下の通り。

今回の出走馬で勝ち馬が出ていない「G~J」、そして連対馬が出ていない「K~N」を持たないのは、エンブロイダリーだけ。該当するプラスデータはC「前走0.3秒差以上で勝利」だけだが、これは勝率30.0%、連対率40.0%と優秀だ。
エンブロイダリーにはJ.モレイラ騎手が騎乗予定。先日の高松宮記念ではサトノレーヴで優勝し、昨年の桜花賞はステレンボッシュで制している。ここ10年では同騎手の連続勝利が2回(18-19年C.ルメール騎手、22-23年川田将雅騎手)もあり、モレイラ騎手の連覇があっても全く不思議はない。
続いて、プラスデータを連対率順に並べると、以下のようになる。

相手探しということで、今度は連対なしデータ「K~N」に該当しない馬で比較していく。
最も多くのプラスデータを持つのは、ブラウンラチェット(ABD)で3つ。勝ち馬が出ていない「GHJ」の3つに該当するので本命にはできないが、馬連や3連複といった馬券の軸として考えるなら、これからいくのもアリだ。
次点はルージュラナキラ(AD)で2つ。ただし、除外対象なので「注」印まで。プラスデータ1つに該当するのはリンクスティップ(A)、ビップデイジー(D)の2頭。プラスデータAの方がDより連対率が高いので、3番手リンクスティップ、4番手ビップデイジーとする。
最後に前走阪神JF組について。直近4年の桜花賞では、連対馬8頭のうち5頭を出す強力なローテーションだ。さらに、勝ち馬に限ると21年1着(ソダシ)、23年1着(リバティアイランド)、24年2着(アスコリピチェーノ)ときている。
そこで、昨年の阪神JF勝ち馬アルマヴェローチェは連対馬なしデータM「前走0.2秒差で勝利」に該当するものの、少なからず3着馬が出ているデータであることから、3連系馬券で押さえておきたい。
◎エンブロイダリー
◯ブラウンラチェット
▲リンクスティップ
△ビップデイジー
×アルマヴェローチェ
注ルージュラナキラ
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
子供が位置ゲームをやり始めたので、付き合うことに。コミュニケーションも取れるし、運動不足も解消と、まさに一石二鳥かも。
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