上半期の古馬ダートJpnⅠの幕開け
川崎記念(ダート2100m・JpnⅠ)が9日に川崎競馬場で実施される。連覇に挑む川崎のライトウォーリアをはじめ、昨年2着のリベンジに燃えるグランブリッジ、JpnⅠ・3勝の実績を誇るメイショウハリオ、ハイレベル世代の4歳馬サンライズジパング、南関東三冠馬ミックファイアなどJRAと地方から実力馬が集結した。
過去10年の傾向から勝ち馬を導き出す。


過去10年の人気では、1番人気が【5-4-0-1】と勝率、連対率、複勝率全てでトップ。2番人気は【1-1-1-7】、3番人気は【1-1-5-3】とともに勝率は10%だが、3番人気は複勝率70%を超えていた。春に施行時期が移った昨年は7→5→4番人気と波乱の決着だった。

所属はJRAが8勝を含む連対馬16頭(栗東13、美浦3)と断然リード。地方馬は船橋と川崎がともに1勝を含む2連対となっている。

年齢は5歳馬と7歳馬が4勝を含む5連対だが、連対数では2勝含む7連対の6歳馬がトップ。優勝馬はこの3世代から出ている。以下は4歳馬が2連対、8歳馬が1連対だった。
実績面は連対馬20頭中勝ち馬9頭を含む18頭がダート重賞の勝ち馬。また、連対馬13頭がGⅠ(JpnⅠ)ウイナーで、地方馬4頭中3頭は前走が報知オールスターカップからの臨戦だった。脚質は【逃げ4 先行7 差し9 追込0】と、好位で立ち回れる馬が活躍していた。

グランブリッジが新王座に輝く
◎グランブリッジ
重賞5勝を挙げ、連対率が高い6歳の栗東馬。これまでJpnⅠで2着4回と好走し、昨年のこのレースでは惜しくもアタマ差で敗れた。この舞台は【2-2-0-0】と相性が良く、先行差しと自在に動けるのは大きな強み。1、2番人気濃厚で人気別成績でも傾向に合致する。過去に騎乗経験があるモレイラ騎手への手替わりは問題なく、今度こそビッグタイトルをつかむ。
◯メイショウフンジン
栗東所属で、本レース過去10年で4勝マークする7歳馬。2月の佐賀記念で重賞初制覇を飾り、前走のダイオライト記念でも積極的なレース運びで3着に踏ん張った。同型との兼ね合い次第だが、最終コーナーまで先頭なら5勝をマーク。自分の形に持ち込めればしぶとさを発揮しており、徹底先行で粘り込みを図る。
▲サンライズジパング
3歳時から年長馬相手に上位争いを演じ、前走のフェブラリーステークスではメンバー最速の末脚で2着に食い込んだ。2100mは初めてだが、エンジンの掛かりが遅いだけに距離延長は好材料。川崎の小回りコースに戸惑わなければ好勝負が可能だ。
ほか、昨年の覇者ライトウォーリアも侮れない。前走の報知オールスターカップは勝ち馬にうまく乗られたが、久々ながら半馬身差の2着に入った内容は悪くなかった。無理なく主導権を握れる最内枠は好材料で、1連対の8歳馬でも要注意だ。
同じく8歳馬のメイショウハリオは今回が初の川崎遠征。佐賀のJBCクラシックで2着があるように、小回りコースでも不安はない。休み明けのフェブラリーステークス(6着)を叩かれて上積みは大きく、自慢の末脚が生きる流れで上位に進出してきそうだ。
ダートグレード3勝を誇るディクテオンは、転入初戦のダイオライト記念で4着に入り、地力の高さを示した。1度使われて動きや気配は良化しており、ここでも軽視は禁物だ。
キリンジは大井に転入した2走前の金盃を6馬身差で圧勝。昨秋のJBCクラシック(佐賀)では地方馬最先着の3着と好走しており、JRA馬が相手でも展開ひとつで上位に加わってもいいだろう。
《ライタープロフィール》
菊池 敬太
サンケイスポーツで南関東競馬を中心に予想とコラムを掲載。近況のレース内容や傾向、データのほか、現場取材などで集めた情報をもとに高配当を狙っている。
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