「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

【スポーツ×お金】第3回 お金とデータだけではできないマネジメント②

2018 2/23 18:00藤本倫史
野球,金,バット
このエントリーをはてなブックマークに追加

お金を使う意義

 また、エプスタインはカブスの編成責任者になってから、トレードなどを行う際にデータだけでなく、チームメイトの評判などもリサーチし、その上で選手を獲得する傾向が強くなっていると聞く。

 それはチームケミストリーというチームのパフォーマンスを向上させる概念を理解し、何より球団やチームのマネジメントについて考えている証拠だろう。お金やデータだけでなく、球団の成果を考えているからこそ、86年ぶりにレッドソックス、108年ぶりにカブスのワールドシリーズチャンピオンに導いたリーダーになれたのではないか。

 ここまで、「スポーツ×お金」というテーマで、このコラムを書いてきた。お金という部分はどのビジネスでも、非常に重要な部分を占める。特に「人(選手)」に大きなお金を使うプロスポーツは特殊である。だからこそ、お金をどこにどう使うかの意義や意味を深く考えなければならない。

 今回のシリーズでは、この「人」の評価を決め、チームを編成するGMに焦点を当て、見てきた。次のシリーズからは、この華やかでもあり厳しくもあるマネージャーの話を軸に、競技と経営を考えながら試合(ゲーム)を商品化していく過程、そしてビジネス面でのリーダーシップを見ていきたい。

 次回は、新シリーズに入る前に「スポーツ×お金」に関して、改めて検証を行うために、日本のスポーツファイナンスを研究している広島経済大学永田靖教授にお話を伺う。


《ライタープロフィール》 藤本 倫史(ふじもと・のりふみ) 福山大学 経済学部 経済学科 助教。広島国際学院大学大学院現代社会学研究科博士前期課程修了。大学院修了後、スポーツマネジメント会社を経て、プランナーとして独立。2013年にNPO法人スポーツコミュニティ広島を設立。現在はプロスポーツクラブの経営やスポーツとまちづくりについて研究を行う。著書として『我らがカープは優勝できる!?』(南々社)など。

おすすめの記事