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【スポーツ×お金】第1回 ダルビッシュ有、大谷翔平、柳田悠岐、丸 佳浩・・・プロ野球選手の年俸分析②


SHINJOが常識を変えた球団戦略

 前回は、日本のプロ野球全体の状況について述べた。今回は、選手や球団を事例にしてみていきたい。まず、北海道日本ハムファイターズは、巨人とは違うスター選手の戦略をとった。ファイターズは、北海道に2004年に移転以降、まず知名度を上げるためにSHINJO(新庄剛志)を獲得する。

 北海道はそれまで球団がなく、巨人ファンの多い地域だった。SHINJOは契約金4000万円、年俸8000万円プラス出来高払いの2年契約を結ぶ。これはもちろんチームの戦力としての契約もあったが、球団のファン戦略のPRツールとしても重要な役割を担う存在としても考えていた。SHINJOは球団の知名度をあげるために、様々な企画をあげ、連日マスメディアを賑わした。(北海道未来総研がSHINJOの入団でファイターズ移転の経済効果を199億円から200億円以上と上方修正している)
 SHINJOが移籍した2004年の観客動員数は約161万人で前年度より約30万人も増え、球団としては十分な投資効果があったと言える。

ダルビッシュと大谷のビジネス面での凄さ

 このSHINJOに続いたのが、ダルビッシュ有である。ダルビッシュは2004年にドラフト指名され、入団する。
 ダルビッシュに関しては、現在までの活躍は皆さんもご存知だろうが、改めてファイターズの成績を振り返ると圧巻である。2011年に移籍するまで、通算防御率1.99、勝利数93、奪三振数1250という数字である。また、球団の戦略的にもダルビッシュの登板日に合わせて、イベント企画を行い、観客動員数はリーグ連覇した2007年に約180万人に増え、人気と実力を兼ね備えたチームに導いている。

 また、2011年に彼の年俸は5億円に膨らんだが、2012年のメジャーリーグ移籍の際に約40億円を球団に残し、移籍金ビジネスとしては大成功を収めている。
 そして、今回、ロサンゼルス・エンジェルスに加入した大谷翔平もファイターズのスター選手戦略の1人である。彼の場合は特殊で、高校時代にメジャーリーグへ入団する意思を示していたが、球団は彼の育成プランの資料を何十枚と作り、プレゼンテーションを行い、口説き落とした。大谷の場合は、二刀流プレーヤーとして、優れていることは十二分にわかる。また、ビジネスの側面からしても非常にありがたい存在である。先発ピッチャーは日本の場合、週に1度しか登板がない。ただ、大谷は打者としての出場もあるので、観客動員数やグッズ収入は格段に違う。この効果もあり、日本一になった2016年シーズンは球団で初めて観客動員数が200万人を突破した。

 結局、大谷も年俸が2億7000万円まで上がったが、今回の移籍で約20億円を残し、球団を去ることになった。このように彼らに投資した金額は単純に分析を行っても投資した価値はあり、地域への経済効果などを含めるとより多くの価値が算出できるのではないか。

ダルビッシュ、大谷の次は清宮

 また、ダルビッシュと大谷に関しては、選手としての価値を高めるもしくは新たな形を模索しているように見える。ダルビッシュは今回、FAとなり、移籍球団を探している。その中で、球団首脳と直接、英語で対応し、年俸だけでなく、球団やチームの戦略のプレゼンテーションを受けている。
 大谷は自分の獲得意思を示す球団に育成や起用プランのプレゼンテーションをさせ、ヤンキースやドジャースのようなビッククラブではないエンジェルスを選択した。これはファイターズの球団戦略と直接関係ないかもしれないが、年俸の大小だけでなく、自分のキャリアを戦略的に考えているのではないか。現在、サッカー界では中田英寿や本田圭佑などがビジネス面で新たなキャリアを創っている。彼らもそのようにプロスポーツ選手として新たな形を創っていくのではないか。

 このように旧態依然としたプロ野球の中で、ファイターズは独自の戦略を確立し、各選手の投資分を回収している。その中で今年は清宮幸太郎が入団する。そのようなファイターズのビジネス面でのスター選手戦略がどう展開するのか注目したい。しかし、スター選手は早々に現れるわけではない。次に違うアプローチを行っている球団についてご紹介したい。

巨人とは違うビッククラブ経営

 前回に続いて、プロ野球選手の分析を行う。昨年のシーズンオフにプロ野球界で一番の大型契約を結んだのは、福岡ソフトバンクホークスの柳田悠岐である。
 3年総額16億5000万円プラス出来高契約と報道されている。柳田は昨年、打率.310、31本塁打、99打点という素晴らしい成績を残し、今年に国内FAの資格条件を満たすこともあり、一昨年から2億8500万円アップの契約を行った。
 ただ、ホークスはこの柳田以外にも大幅アップの選手が続出し、年俸総額が約50億円(外国人選手を除く)になっている。しかも、その多くは自前で育てた選手であり、千賀晃大のような育成選手から這い上がった選手もいる。これは特定の選手に大型投資をするファイターズとは違った戦略であり、FAで他球団から選手を集めているジャイアンツとも違う。ホークスは育成と補強のバランスをとり、選手をしっかりと評価するビッククラブ型の経営を行っている。

 この経営手法をみるとこれまでのプロ野球球団と同じで、親会社から赤字を補てんしてもらっていると思われがちだ。しかし、報道資料などから推測するとホークスは黒字である。(プロ野球球団は詳細な財務状況を明らかにしていない)
 ソフトバンクが2005年に球団経営に参画してからは、地方都市圏ながら200万人以上の観客動員数を誇っている。
 孫正義オーナーは以前、「ワールドシリーズのチャンピオンと日本シリーズチャンピオンが戦うシリーズがあってもいいのではないか」というような発言をし、世界を見据えたチーム作りをしている。また、その対価として選手年俸も高騰しており1億円以上のプレーヤーが17名になっており、複数のスター選手が在籍することによって球団のブランド力を高めている。しかも、フランチャイズを置く九州出身の選手を多く獲得している。また、メジャー移籍はFAしか認めておらず、柳田の契約を見てもわかるように日本でのビッククラブ型を維持しようとしている。

 さらに外国人選手の獲得にも独自色がある。他の球団はメジャーリーグとマイナーリーグを行き来するいわゆる4Aの選手を獲得することが多いが、メジャー通算本塁打221本のバティスタに2年約15億円や最多勝のタイトルを獲得したペニーには約2億円など巨額投資を行っている。
 これらの選手は残念ながら活躍しなかったため、現在は日本で活躍した外国人選手を獲得している。だが、メジャーリーグの移籍市場は有力な若手(トッププロスペクト)を重要視する傾向にあり、中堅からベテランには厳しい現状になっている。チームにフィットするならば、このようなネームバリューのある選手を獲得し、海外の市場にPRするのも一つの戦略である。
 個人的にもホークスには、このような今までにはない視点で球団を大きくし、日本独自のビッククラブ型経営を行ってもらいたいと願っている。

※年俸の金額は推定

 

 次回は、高額年俸を提示しなくてもセリーグを連覇した、広島東洋カープと丸佳浩の関係について探っていく。

【スポーツ×お金】第1回 ダルビッシュ有、大谷翔平、柳田悠岐、丸 佳浩・・・プロ野球選手の年俸分析③

 

《ライタープロフィール》
藤本 倫史(ふじもと・のりふみ)
福山大学 経済学部 経済学科 助教。広島国際学院大学大学院現代社会学研究科博士前期課程修了。大学院修了後、スポーツマネジメント会社を経て、プランナーとして独立。2013年にNPO法人スポーツコミュニティ広島を設立。現在はプロスポーツクラブの経営やスポーツとまちづくりについて研究を行う。著書として『我らがカープは優勝できる!?』(南々社)など。

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