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【スポーツ×お金】第1回 ダルビッシュ有、大谷翔平、柳田悠岐、丸 佳浩・・・プロ野球選手の年俸分析②

2018 1/19 17:19藤本倫史
野球ボール 金
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SHINJOが常識を変えた球団戦略

 前回は、日本のプロ野球全体の状況について述べた。今回は、選手や球団を事例にしてみていきたい。まず、北海道日本ハムファイターズは、巨人とは違うスター選手の戦略をとった。ファイターズは、北海道に2004年に移転以降、まず知名度を上げるためにSHINJO(新庄剛志)を獲得する。

 北海道はそれまで球団がなく、巨人ファンの多い地域だった。SHINJOは契約金4000万円、年俸8000万円プラス出来高払いの2年契約を結ぶ。これはもちろんチームの戦力としての契約もあったが、球団のファン戦略のPRツールとしても重要な役割を担う存在としても考えていた。SHINJOは球団の知名度をあげるために、様々な企画をあげ、連日マスメディアを賑わした。(北海道未来総研がSHINJOの入団でファイターズ移転の経済効果を199億円から200億円以上と上方修正している)
 SHINJOが移籍した2004年の観客動員数は約161万人で前年度より約30万人も増え、球団としては十分な投資効果があったと言える。

ダルビッシュと大谷のビジネス面での凄さ

 このSHINJOに続いたのが、ダルビッシュ有である。ダルビッシュは2004年にドラフト指名され、入団する。
 ダルビッシュに関しては、現在までの活躍は皆さんもご存知だろうが、改めてファイターズの成績を振り返ると圧巻である。2011年に移籍するまで、通算防御率1.99、勝利数93、奪三振数1250という数字である。また、球団の戦略的にもダルビッシュの登板日に合わせて、イベント企画を行い、観客動員数はリーグ連覇した2007年に約180万人に増え、人気と実力を兼ね備えたチームに導いている。

 また、2011年に彼の年俸は5億円に膨らんだが、2012年のメジャーリーグ移籍の際に約40億円を球団に残し、移籍金ビジネスとしては大成功を収めている。
 そして、今回、ロサンゼルス・エンジェルスに加入した大谷翔平もファイターズのスター選手戦略の1人である。彼の場合は特殊で、高校時代にメジャーリーグへ入団する意思を示していたが、球団は彼の育成プランの資料を何十枚と作り、プレゼンテーションを行い、口説き落とした。大谷の場合は、二刀流プレーヤーとして、優れていることは十二分にわかる。また、ビジネスの側面からしても非常にありがたい存在である。先発ピッチャーは日本の場合、週に1度しか登板がない。ただ、大谷は打者としての出場もあるので、観客動員数やグッズ収入は格段に違う。この効果もあり、日本一になった2016年シーズンは球団で初めて観客動員数が200万人を突破した。

 結局、大谷も年俸が2億7000万円まで上がったが、今回の移籍で約20億円を残し、球団を去ることになった。このように彼らに投資した金額は単純に分析を行っても投資した価値はあり、地域への経済効果などを含めるとより多くの価値が算出できるのではないか。

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