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1/5の確率で降格 史上最も過酷な2021年のJ1で優勝争いのカギを握る3チーム

2021 1/1 17:00KENTA
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苛烈極まる2021年のJ1

元日の天皇杯決勝をもって激動のシーズンを終えた2020年度のJ1リーグだが、各チームの目はすでに2021シーズンへ向いているだろう。

2021年はおそらくJリーグ史上最も過酷な戦いが待ち受けている。東京オリンピックが夏に予定されていることと、通常の18チームではなく2021年のみ20チームで争うという特殊なレギュレーションによる超過密日程。20チーム中4チーム、つまり1/5の確率で降格することになり残留争いは熾烈を極めそうだ。

しかし、あえて今回は“下”ではなく“上”に目を向け、2021年のJ1で優勝争いを演じそうな3つのチームを予想してみよう。

王者・川崎フロンターレ

2020年を圧倒的な強さで制した王者。対戦相手に徹底的に対策されようが切り崩した。退場者を出しながらも食らいつく横浜F・マリノスを最後は幸運と実力でねじ伏せた第28節の神奈川ダービーなど、難しい試合を勝ちきる力も持っている。

最後は2位のガンバ大阪を5-0で圧倒して優勝を決めた。もはや“絶対王者”とも呼ぶべき貫禄すら見せている。クラブの象徴・中村憲剛は引退したが、選手層の厚さは桁違い。各ポジションに代表クラスの選手を並べる。

しかし、最大の強みは組織的でチーム戦術を遂行できることだ。2020年のフロンターレ最大の特徴は守備にあった。88得点は他の追随を許さないJ1最多得点だが、34試合で31失点という失点の少なさにもっと目を向けられるべきだ。

被シュート数はリーグ最少、被チャンス構築率もリーグで2番目に低いという守備の堅さ。それを実現させているのは、さらに巧妙になった組織的なプレッシングだ。唯一の不安は天皇杯の影響もあり他チームに比べ補強が遅れていることか。それでも完成の域に達している王者の優位は変わらないだろう。

堅守×積極補強 名古屋グランパス

そんな王者を追走する1番手は名古屋グランパスになるだろう。全34試合で28失点は最少。2019年途中から指揮を執るフィッカデンティ監督の守備戦術が完全に浸透した。

ブロックを組んで待ち構えてからのロングカウンターとハイプレスで高い位置でボールを奪ってからのショートカウンターなど、守備から攻撃のバリエーションが豊富で練度も高い。1試合平均のチームでのスプリント数は154とJ1で2番目に少なく、相手に関わらず走らずに試合をコントロールすることができるのも超過密日程の中では優位に働くだろう。

また、走れないということではなく相手を走力で圧倒することもできる。チーム全体で相手より1~3km以上多く走った試合は26試合中16勝3分7敗。走り勝ち、ボールを保持して攻め切る強さも兼ね備えている。

加えて今冬積極的に補強を敢行しているのも本気度がうかがえる。セレッソ大阪から木本恭生と柿谷曜一朗の獲得が決定。さらなる実力者の獲得に動いているとの報道もあり、補強の成功次第では一気に優勝候補筆頭に躍り出る可能性もある。

新監督の戦術が浸透 鹿島アントラーズ

2016年以来5年ぶりの優勝を目指す鹿島アントラーズが3番手ではないかと予想する。2020シーズンのJ1は開幕4連敗というクラブ史上最悪のスタートを切った。

しかし、課題だった枠内シュート数が増加するとともに調子を上げ、リーグ中盤には7連勝を達成。1点差のゲームが多い中、うまくゲームをコントロールし、手堅く勝ち抜ける試合巧者っぷりはもはや伝統だ。

2020年から就任したザーゴ監督は、今までの鹿島アントラーズのスタイルとは一線を画した監督だ。テクニカルディレクターであり、クラブのレジェンド・ジーコの肝いりでやってきた彼は、当時ブラジル2部に所属していたCAブラガンチーノでドイツの知将ラングニックの哲学を学んだ。

守備で激しくプレスをかけ、攻撃ではどんどん縦にパスを送り、それを後方の味方が近くに現れサポートしていく。スプリントの質と量がカギになるサッカーだ。ザーゴ監督はラングニックの教科書をもとにブラジル流のスタイルを確立し、結果を出した。

そのザーゴ監督が持つ戦術と伝統の勝負強さ、そして試合巧者っぷりが高次元で噛み合い、鹿島流のスタイルが確立されつつある。そして、そこに得点ランキング2位の18得点という強烈なインパクトを残したストライカー・エヴェラウドの存在。

ACLプレーオフ出場権がかかった最終節のセレッソ大阪戦、先制を許し攻めに出た時の迫力と精度はすさまじいものがあった。エヴェラウドが中国へ移籍するという噂があるが、引き留めに成功すれば優勝争いに絡むことは間違いないだろう。

この3チームが有力な優勝候補となりそうな2021年のJ1。しかし世界でも類を見ないほど実力が拮抗しているリーグといわれるのも紛れもない事実。J2からの刺客、徳島ヴォルティスとアビスパ福岡にも十分、上位進出のチャンスがあるだろう。2021年も目が離せない戦いが繰り広げられそうだ。

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