1、2番コンビが痛みに耐えて優勝に貢献
出塁するという意味において四球は安打と同じと言われるが、死球も出塁するという意味での価値は同じだ。ただ、自分から当たりにいくことはできないため他力本願であることと、ケガのリスクも伴うことから評価の対象にはなりにくい。
そんな報われない死球の痛みに耐えた選手たちを紹介しよう。今季のセ・リーグ死球ランキングが下の表だ。
1位には10死球でヤクルトの2人が並んだ。どちらかと言うと、ホームランバッターが内角を攻められた結果、死球になるイメージが強いが、セ・リーグ最多は塩見泰隆と青木宣親の1、2番コンビだった。
青木宣親はプロ18年目の今季、122試合に出場して打率.258、出塁率.335。トップだったNPB通算打率でレロン・リーに首位の座を明け渡して2位に陥落したが、それでも39歳とは思えない活躍だった。
これまでも死球は多く、2018年にはリーグ最多の19死球を記録。今季の打撃結果をコースごとに集計したSPAIAのデータでは、内角低めが打率.061、内角高めが.174となっており、苦手の内角を攻められた結果、死球も増えているようだ。
4年目の塩見泰隆は自己最多の140試合に出場して打率.278と優勝に貢献。来季も1、2番コンビとして活躍できれば、3番・山田哲人、4番・村上宗隆と続く強力クリーンアップがさらに破壊力を増すだろう。
ウィーラーとビシエドが8死球で3位タイ
3位は8死球で巨人ウィーラーと中日ビシエドが並んだ。ウィーラーは昨季途中に楽天から移籍し、今季は121試合に出場。規定打席には届かなかったものの打率.289、15本塁打、56打点と好成績を残した。
シーズン前半には球団6位タイとなる22試合連続安打。広角打法を身に付けて一時は首位打者を争い、オールスターにも出場するなどチームに貢献した。明るいキャラクターでムードメーカーとしても欠かせない存在だ。
ビシエドは来日6年目の今季、130試合に出場して打率.275、17本塁打、70打点。2018年に首位打者と最多安打に輝いた実力で安定した成績を残している。死球は強打者の「勲章」でもあるが、2018年に15死球だったことを考えると、成績なりに死球も減っていると言える。
岡本和真と京田陽太が5位で並ぶ
5位は巨人・岡本和真と中日・京田陽太が7死球で並んだ。岡本は不動の4番として全143試合に出場し、39本塁打、113打点で2年連続二冠王。岡本ほどのパワーヒッターになるとコントロールミスが命取りになる可能性もあるため、相手投手は内角に投げづらいだろう。
日大から入団5年目の京田は今季113試合に出場して打率.257、出塁率.302。2017年の新人王も打撃成績においてはあまり成長が見られない。かつて中日のショートストップを守っていた立浪和義新監督の下、来季は攻守ともにレベルアップが期待される。
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