高橋周平は得点力不足の一因?
チャンスを一気に潰してしまう併殺打は単に複数のアウトを献上するだけでなく、試合の流れを相手に持っていかれることにもつながり、極力避けたい結果のひとつだ。
2021年のセ・パ両リーグで併殺打の多かった選手をランキングにしてみた。セ・リーグから見ていこう。
ワースト1位は21併殺打の中日・高橋周平。併殺打と言えば、足の遅い右打者が多いイメージだが、左打ちの高橋がリーグ最多だった。
昨季は137試合出場で打率.259、5本塁打、39打点。3番、5番、6番で起用されることが多かったため、高橋がチャンスを潰したことはチーム総得点がリーグ最少の405点に終わったことと無関係ではないだろう。今年は奮起が期待される。
オスナに続いて岡本和真、ウィーラー、マルテ、牧秀悟が並ぶ
ワースト2位はヤクルトのオスナで18併殺打。昨季は120試合出場で打率.258、13本塁打、60打点とやや物足りない成績だった。連覇に向けて、今季は確実性をアップしたい。
3位は16併殺打で巨人・岡本和真、ウィーラー、阪神マルテ、DeNA牧秀悟の4人が並んだ。岡本は39本塁打113打点で二冠王。ウィーラーは打率.289、15本塁打、56打点。マルテと牧は全く同数の22本塁打、71打点と、いずれも右打ちの長距離砲だ。
併殺打はタイムリーの裏表とも言え、ポイントゲッターが多いのは仕方ないだろう。今年は1本でも減らしたい。
浅村栄斗は断トツ24併殺打
続いてパ・リーグを見ていこう。
楽天の浅村栄斗が2位に9個差の24個でワースト1位だった。楽天移籍3年目の昨季は6年連続となるフル出場を果たし、打率.269、18本塁打、67打点。リーグトップの101四球を選んだが、2018年からマークしていた30本塁打は3年連続で途切れた。
昨年末には第1子女児が誕生し、張り切らない理由はない。現在、通算230本塁打で節目の250号まであと20本に迫っている。優勝するためには浅村がチャンスで勝負強さを発揮することは不可欠だ。
宗佑磨、杉本裕太郎、レアード、島内宏明が2位タイ
2位はオリックスの宗佑磨と杉本裕太郎、ロッテ・レアード、楽天・島内宏明の4人が15併殺打で並んだ。
宗と杉本は昨年大きく飛躍したオリックス若手選手のうちの2人。宗は139試合出場で9本塁打42打点、8盗塁をマークし、優勝に貢献した。ただ、俊足巧打の左打者にしては併殺打が多い。昨季は2番としてチャンス拡大する役割が多かっただけに、今季への課題だろう。
杉本は「ラオウ」のニックネームで大ブレイクした本塁打王。打率.301、32本塁打、83打点と自己最高の成績を残した。
レアードは29本塁打、95打点をマーク。島内は21本塁打、96打点で打点王に輝いた。いずれもチームの主軸として活躍しており、併殺打の多さには目を瞑る必要があるかも知れない。
【関連記事】
・丸佳浩、巨人移籍3年の進化と見えてきた2000安打1000四球
・巨人・坂本勇人の二塁打通算記録の価値、7年後にイチロー超え?
・巨人の通算本塁打数ランキング、岡本和真はハイペースで歴代20位まで上昇