盗塁王の中野が20犠打で1位
2021年も残りわずか。個人タイトルを獲得し、年俸の大幅アップを勝ち取った選手がホクホク顔で会見する姿が連日のように報道されている。
一方、目立たなくても自分の役割を果たしてチームに貢献した選手が注目されることは少ない。今回はセ・リーグの犠打ランキングを紹介し、地味な役割を確実にこなした選手にスポットを当てたい。
2021年は犠打ランキングから広島・菊池涼介の名前が消えた。2020年まで6年連続リーグ最多犠打を記録した「バントの名手」が今季は、わずか2犠打。今季は1番や6番、7番で起用されることが多かったため、達成確実と見られていたNPB史上8人目の通算300犠打もお預け(現在296犠打)となった。
替わって1位になったのは阪神の中野拓夢。30盗塁でチームメイトの近本光司から盗塁王のタイトルを奪ったルーキーは、主に2番打者としてチャンス拡大に努めた。
打率も.273と新人としては上々の成績を収め、新人王の候補にも浮上。なかなか固定できなかったショートのレギュラーとして、来季も近本との俊足1、2番コンビがかき回してくれるだろう。
DeNA柴田竜拓とヤクルト中村悠平が2位タイ、中日・三ツ俣大樹が4位
2位はDeNAの柴田竜拓とヤクルトの中村悠平が14犠打で並んだ。国学院大からドラフト3位で入団して6年目の柴田は、今季85試合に出場して打率.234。3割打者を多数抱える強力なDeNA打線で、地味な仕事を確実にこなした。
福井商高から入団して13年目の中村は、日本一に輝いたヤクルトの中でも大きく名を挙げた一人だ。今季は123試合出場で打率.279をマーク。2番や6番で起用されることが多く、犠打も含めたバットでも投手陣を援護した。
もちろん、巧みなリードで投手陣を引っ張ったことは言うまでもない。日本シリーズではMVPに選ばれ、来季から古田敦也の引退以来、空き番だった背番号27を受け継ぐことも決定。名実ともにセ・リーグを代表する捕手となった。
4位は中日の三ツ俣大樹で13犠打。今季は自己最多の58試合に出場し、打率.222の成績を残した。13犠打だけでなく、26安打、11打点も自己最多だ。内野の複数ポジションをこなすユーティリティープレーヤーとして、来季はさらに出番を増やしたい。
DeNA伊藤光と広島・小園海斗が5位タイ
5位はDeNAの伊藤光と広島の小園海斗が12犠打で並んだ。2018年にオリックスから移籍した伊藤は今季53試合に出場。打率.213だったが、犠打でチームの得点力アップに貢献した。
オリックス時代の2013年には35犠打、2014年には39犠打を記録した実績の持ち主。プロ15年目の来季も、経験豊富な伊藤は好守で頼りにされそうだ。
報徳学園高からドラフト1位で入団して3年目の小園は、今季113試合に出場してリーグ8位の打率.298、5本塁打、35打点をマーク。2番や3番として起用されることが多く、多くの経験を積んだシーズンとなった。
ポスティングシステムを申請している鈴木誠也のメジャー移籍が決まれば、さらに小園への期待は高まるだろう。坂倉将吾や林晃汰らとともに次代のカープを担うホープとして期待される。
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