甲斐拓也はフル出場して自己最多の12本塁打
パ・リーグと言えば投手が真っ向勝負し、打者はフルスイングするといった豪快な野球のイメージが強いが、当然ながら地味な戦術も緻密なデータも駆使されている。
そこで2021年のパ・リーグ犠打ランキングを作成してみた。豪快な野球の陰で目立たないが、地味な役割を確実にこなした選手にスポットを当てたい。
1位は26犠打のソフトバンク・甲斐拓也。今季は143試合にフル出場し、打率.227、自己最多の12本塁打、44打点をマークした。さらに26犠打を決め、「甲斐キャノン」と呼ばれる自慢の強肩やリード面以外でも投手陣を援護した。
ただ、今季は日本シリーズ5連覇ばかりか、クライマックスシリーズさえも逃しただけに、来季にかける意気込みは相当だろう。今オフは4500万円増の2億1000万円(推定)で契約を更改し、今や球界を代表する捕手の一人となった。ペナント奪回に向け、来季も欠かせない存在だ。
今宮にロッテ藤岡裕大と西武・源田壮亮が続く
2位は同じくソフトバンクの今宮健太で23犠打。プロ12年目の今季は125試合に出場して打率.214、4本塁打、30打点と不本意な成績に終わった。
通算327犠打は現役最多、NPB史上4位だが、今季はスタメンを外れることも多く、納得のいくシーズンではなかっただろう。新選手会長に就任し、来季は巻き返しが期待される。
3位は18犠打のロッテ・藤岡裕大。トヨタ自動車から入団して4年目の今季は137試合に出場して打率.255、3本塁打、37打点、10盗塁の成績を残した。本職はショートだが、エチェバリアの加入によりサードもこなすなど、献身的にチームに貢献した。
4位は17犠打の西武・源田壮亮。今季は119試合出場で打率.272、2本塁打、29打点をマークし、24盗塁でタイトルも獲得した。指定席の「2番・ショート」だけでなく、1番での起用が増えたこともあり、120試合出場で22犠打だった昨季よりも犠打数は減っている。
4年連続ゴールデングラブ受賞の守備力も含め、チームへの貢献度は高い。元乃木坂46の衛藤美彩夫人は第1子を妊娠しており、来季は我が子のためにもさらなる飛躍が期待される。
太田光と小深田大翔の楽天勢が5位タイ
5位は楽天の太田光と小深田大翔が16犠打で並んだ。大阪商業大から入団して3年目の太田は107試合に出場して打率.188、4本塁打、23打点。スタメンで起用される試合は下位打線が多かったが、確実にチャンス拡大して上位打線につなげた。
シーズン中に巨人からトレード移籍した炭谷銀仁朗や、今秋ドラフトで2位指名された愛知大のスラッガー・安田悠馬らの加入で捕手のポジション争いは激化。出場機会を増やすためにも好守ともにさらなるレベルアップが求められる。
2年目の小深田は今季121試合に出場して打率.248、3本塁打、21打点、5盗塁。新人王候補にも挙がった1年目の打率.288、17盗塁から成績を落とした。シーズン終盤はスタメンから外れる試合も増え、本人も納得していないだろう。来季は不動のレギュラーの地位を確立したい。
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