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千賀滉大、甲斐拓也がプロ入りした2010年育成ドラフトの答え合わせ

2021 9/18 06:00SPAIA編集部
千賀滉大,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

楽天は3選手とも一軍出場なし

今年のプロ野球ドラフト会議は10月11日に行われる。1位指名が予想される有力選手に目がいきがちだが、見逃せないのが育成ドラフト。近年は育成出身の大物選手も珍しくなく、将来大化けする「金の卵」を探すのも楽しみのひとつだ。

かつて育成で指名された選手がプロ入り後にどんな成績を残したのか、答え合わせをしてみたい。ソフトバンクの当たり年となった2010年の育成ドラフトを振り返る。

2010年育成ドラフト指名選手の通算成績


横浜は関西外国語大の捕手・松下一郎を指名。一軍出場を果たせないまま3年で戦力外となった。2014年からブルペン捕手を務めていたが、2016年オフに退団してIT企業に勤務しているという。

楽天は1巡目でBCリーグ富山の右腕・加藤貴大、2巡目で仙台育成高の左腕・木村謙吾、3巡目で滋賀・高島ベースボールクラブの川口隼人の3人を指名。しかし、加藤は支配下登録されないまま2013年オフに戦力外、木村も支配下登録されず2014年オフに戦力外、川口は2012年に支配下登録されたものの一軍出場は果たせず、2013年オフに戦力外となった。

広島は1巡目で明豊高の右腕・山野恭介を指名した。2年生時に、1学年上の今宮健太とともに春夏連続で甲子園に出場し、春夏とも菊池雄星を擁する花巻東に敗退。プロ入り後は2012年に四国アイランドリーグの香川に1シーズン派遣され、年間MVPに輝いたが、一軍出場は果たせないまま翌2013年オフに戦力外となった。

2巡目では中京学院大の右腕・池ノ内亮介を指名。2013年に四国アイランドリーグの愛媛に派遣され、同年オフに支配下登録。翌2014年に一軍デビューを果たし、計2試合に登板した。2015年オフに戦力外となった後、大阪府警の警察官になったという。

巨人は8人指名も一軍出場は移籍した丸毛謙一のみ

ヤクルトは1巡目で神奈川大の北野洸貴を指名したが、一軍出場できずにわずか2年で戦力外。2巡目では米マイナーリーグを経て四国アイランドリーグの香川でプレーしていた右腕・上野啓輔を指名したが、2年で戦力外となった。

3巡目では由規(佐藤由規)の実弟で、楽天の育成2位・木村謙吾と仙台育英でチームメートだった外野手の佐藤貴規を指名。実兄と同じユニフォームに袖を通したが、一軍のグラウンドには立てないまま2014年オフに戦力外通告を受けた。

巨人は大量8人を指名。しかし、1巡目の広島工高・和田凌太、2巡目の四国アイランドリーグ愛媛・岸敬祐、3巡目の神戸9クルーズ・福泉敬大、4巡目の愛知工大・荻野貴幸、5巡目のエイデン愛工大OB BLITZ・財前貴男、6巡目の旭川実高・成瀬功亮、7巡目の西多摩倶楽部・川口寛人は一軍出場を果たせないまま戦力外となった。

同期で唯一、一軍を経験したのが8巡目の大阪経済大・丸毛謙一だ。大阪桐蔭高3年夏の甲子園では斎藤佑樹を擁する早稲田実に敗れた「ハンカチ世代」。巨人を自由契約となった2013年オフにオリックスに移籍し、翌2014年の開幕戦に代走としてプロ初出場した。しかし、その後二軍落ちし、翌2015年春季キャンプで打球を側頭部に受けて開頭手術。手術は成功したものの、同年7月に引退した。

阪神・島本浩也は一軍で105試合に登板

ロッテは1巡目で城西国際大の右腕・黒沢翔太を指名。2013年7月に支配下登録されると8月に一軍デビューし、2016年には開幕一軍入りして6試合に登板した。しかし、通算14試合に登板して未勝利のまま、2017年オフに戦力外となった。

2巡目では立花学園高の左腕・山口祥吾を指名したが、2年で戦力外。3巡目ではNOMOベースボールクラブの右腕・石田淳也を指名したが、山口と同じく2年間、一軍昇格できずに戦力外通告を受けた。

阪神は市和歌山高で通算20本塁打の阪口哲也を1巡目で指名したが、2014年オフに戦力外通告した。

2巡目で指名された福知山成美高の左腕・島本浩也は2014年に支配下登録され、翌2015年に一軍デビュー。2016年にプロ初勝利を挙げると、2019年には63試合登板で4勝1セーブ11ホールドの好成績を残した。2020年オフに左肘の手術を受け、今季は育成契約となっている。

3巡目では箕面東高の穴田真規を指名。支配下登録されないまま2013年オフに戦力外となった。

ソフトバンクは下位指名3人が大きく素質開花

現在、ソフトバンクが育成に長けた球団として高評価されるのは、2010年組の大出世によるところが大きいだろう。1巡目の別府大・安田圭佑、2巡目の鹿児島城西高・中原大樹、3巡目の誉高・伊藤大智郎は一軍出場できないままユニフォームを脱いだが、下位指名3選手が大きく素質開花した。

4巡目で指名したのが蒲郡高・千賀滉大。高3夏は愛知大会3回戦で敗れ、全国的には無名だった右腕が、後に日本代表として五輪に出場するなどと想像した人がどれくらいいただろうか。

2012年に支配下登録されると、翌2013年には51試合に登板して1勝4敗1セーブ17ホールド。先発に転向した2016年から5年連続2桁勝利をマークし、昨季は最多勝、最優秀防御率、最多奪三振の3冠に輝いた。

5巡目は城北高・牧原大成。1年目のオフにオーストラリアに野球留学し、翌2012年6月に支配下登録、一軍デビューと階段を駆け上がった。徐々に出場機会を増やし、2019年には114試合で99安打、10盗塁、打率.242をマーク。俊足巧打のユーティリティープレイヤーとしてチームに貢献している。

6巡目が楊志館高の強肩捕手・甲斐拓也だった。2013年に支配下登録され、翌2014年に一軍デビュー。2017年に自己最多の103試合出場して日本一に貢献し、育成出身として初のベストナインに輝いた。

2020年からホークスの偉大な先輩・野村克也がつけていた背番号19を継承。正捕手として活躍し、今夏の東京五輪にも千賀とともに侍ジャパンの一員として出場した。

2010年の通常ドラフトは大石達也に6球団、斎藤佑樹に4球団競合し、福井優也が広島に外れ1位指名されるなど早稲田大の3投手が注目を集めた。プロ入り後の成績を比較すると、アマチュア時代の前評判通りにはいかないドラフトの難しさと同時に、プロの厳しさが如実に表れている。

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