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パ・リーグ4番打者データ比較、主砲離脱で代役4番が活躍?

2021 8/13 06:00SPAIA編集部
オリックス・杉本裕太郎、楽天・島内宏明、ソフトバンク・栗原陵矢,ⒸSPAIA
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宮城大弥とともに大ブレイクのオリックス・杉本裕太郎

東京五輪開催のため中断していたプロ野球がいよいよ13日から再開される。前半戦は下馬評は決して高くなかったオリックスが首位を走る展開となったパ・リーグ。逆に日本シリーズ4連覇中のソフトバンクは4位と白星を伸ばせないでいる。

チームの勝敗に大きな影響を及ぼすのが打線の中心を担う4番打者。今季前半戦のパ・リーグ各球団で最も多くの試合に4番でスタメン出場した選手を比較したのが下の表だ(成績は4番以外で出場した試合も含む)。

パ・リーグ4番打者の今季成績


オリックスで今季大ブレイクしたのが投手では宮城大弥、打者では杉本裕太郎だろう。シーズン開幕当初はモヤとジョーンズの両助っ人に中川圭太らを4番で起用していたが、杉本が調子を上げてきた5月頃から4番に定着した。

JR西日本からドラフト10位で入団して6年目の30歳。身長190センチ、体重104キロの恵まれた体格で、今季前半戦はリーグ3位タイの18本塁打を放った。

大柄のため穴も多いと思われがちだが、打率もリーグ6位の.296をマーク。長打率.547はソフトバンク・柳田悠岐、同僚の吉田正尚に次いでリーグ3位だ。

7月は月間打率.146と調子を落としていたが、中断期間中に行われたエキシビションマッチでは2試合連続本塁打を放つなど復調気配。1996年以来25年ぶりの優勝を狙うオリックスにとって、経験の浅い主砲が優勝争いの佳境で同様の活躍をできるか、キーマンの一人だろう。

楽天・島内宏明はオールスターMVP、ソフトバンク栗原陵矢も代役務める

楽天は4月までは浅村栄斗が4番に座っていたが、最も多く4番で起用されたのは島内宏明。明治大から入団10年目の今季は打率.252、12本塁打、66打点をマークしており、初めて出場したオールスターで第2戦のMVPに輝いた。チームの投手陣は強力だけに、逆転優勝には後半戦でさらなる活躍が期待される。

ロッテは期待の大砲候補・安田尚憲が昨年に続いて開幕から4番で起用された。ただ、前半戦は打率.243、6本塁打、44打点と成績が伸びず、5月下旬からレアードやマーティン、角中勝也に4番を譲っている。後半戦だけでなく、長期的スパンで見ても安田が4番で固定できるようになれば、打線の破壊力が増すことは間違いない。

ソフトバンクは開幕当初はグラシアル、5月から柳田悠岐が4番に入ることも多かったが、最も多く4番起用されたのは栗原陵矢。打率.278、10本塁打、42打点は悪くない成績とはいえ、やはり4番としては物足りない。

本来ならグラシアルかデスパイネが腰を据えてほしいところだが、五輪予選のキューバ代表として離日したり、ケガで調子を落としたり、万全とは言えない状況が続いた。後半戦もどういう打順で臨むのか、悩ましいところだろう。

西武は20年目の中村剛也、日本ハムは中田翔離脱で近藤健介

西武は20年目の中村剛也が最も多く4番に座った。今季前半戦は打率.277、9本塁打、38打点。昨季の打率.213、9本塁打からは数字を上げている。とは言うものの、本来なら開幕4番だった山川穂高が務めなければいけない打順。エルネスト・メヒアも球団を去り、後半戦はどんな打順で臨むのか注目だ。

日本ハムも計算が狂った球団のひとつだ。これまでほぼ不動の4番だった中田翔が大不振。打率.193、4本塁打で6月に登録抹消され、8月11日にはチームメートへの暴力行為があったとして出場停止処分を科された。

そんな状況で王柏融らとともに代役4番として最多出場したのが近藤健介。打率.282、7本塁打、41打点とパワーは物足りないが、リーグ2位の58四球を選ぶ選球眼でチームに貢献している。

セ・リーグに比べると、パ・リーグ各球団は、良くも悪くも4番を固定できていない。後半戦は主砲らしい働きをする4番を固定できるかがカギと言えそうだ。

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