オリックスの福田周平は驚異の粘りで高出塁率
大方の予想を覆してオリックスが首位を走るパ・リーグ。日本シリーズ4連覇中のソフトバンクが4位と苦戦しているものの、ゲーム差は首位と4差しかなく、まだまだペナントの行方は分からない。
後半戦のカギとして、各球団の1番打者を比較してみたい。今季前半戦のパ・リーグ各球団で、最も多く1番として先発出場した選手の成績が下の表だ(成績は1番以外で出場した試合も含む)。
オリックスはシーズン序盤はトップバッターを固定できず、太田椋や佐野皓大、宗佑磨らが起用されたが、5月から福田周平が定着した。
NTT東日本から入団4年目の今季は、51試合に出場して規定打席には未達ながら打率.313をマーク。身長167センチと小柄だがバットを短く持ってファウルで粘り、出塁率は.395と高い。25年ぶりの優勝に向けて、後半戦のキーマンと言えるだろう。
ソフトバンクは周東佑京の離脱が誤算
楽天は開幕当初は辰己涼介が切り込み隊長として起用されたが、1番の最多出場は小深田大翔。昨季は打率.288、17盗塁をマークして新人王を争ったが、今季前半戦は打率.248、5盗塁にとどまっている。逆転優勝に向け、さらなる活躍が期待される。
ロッテは10月で36歳になるベテラン・荻野貴司が不動の1番として活躍している。前半戦はリーグ3位の打率.307、6本塁打、31打点、15盗塁。吉田正尚に次ぐリーグ2位の104安打を放っており、最多安打のタイトルも狙える位置にいる。チームの浮上へ後半戦のカギを握る一人だ。
4位のソフトバンクは周東佑京が誤算のひとつだろう。開幕から主に1番で起用されていたが、盗塁こそ16個決めたものの、打率.205、出塁率.263と不振。さらに6月10日の二軍戦で右人差し指を骨折し、登録抹消された。以降は三森大貴や川島慶三らが1番に入っているが、逆転優勝には韋駄天の完全復活が待たれる。
西武は若林楽人のケガで固定できず
秋山翔吾がメジャー移籍してからトップバッターを固定できていない西武は、金子侑司や源田壮亮、岸潤一郎、外崎修汰らを使い分けている。
今季前半戦の最多出場は昨年のドラフト4位で駒澤大から入団したルーキーの若林楽人。44試合の出場でリーグ1位の20盗塁をマークしたが、5月30日の阪神戦で左膝前十字靱帯を損傷して登録抹消された。実戦復帰まで9カ月と診断され、今季中の復帰は不可能だけに、後半戦も「日替わり1番」が予想される。
日本ハムも主砲・中田翔の離脱もあって打線を頻繁に組み替えている。俊足ルーキーの五十幡亮汰や7年目の淺間大基らも1番で起用されているが、最多出場は西川遥輝。打率.237、3本塁打、22打点、11盗塁と本人としては不本意な成績かも知れないが、それでも49四球を選んで出塁率は.369と高い。後半戦はさらなる活躍が期待される。
今年は東京五輪で約1カ月の中断があったため、前半戦の成績が後半戦も続くとは限らない。熱いペナントレースをさらに盛り上げるような、リードオフマンの活躍に期待しよう。
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