阪神・大山悠輔は打率1割台の内角球が課題
東京五輪のため約1カ月中断されていたプロ野球が13日から再開される。各チームとも80試合以上を消化しており、ここからがまさにペナントの行方を左右する重要な局面となる。
チームの勝敗を大きく左右する存在が4番打者。今季前半戦のセ・リーグ各球団で最も多く4番でスタメン出場した選手の成績が下の表だ(成績は4番以外の試合も含む)。
首位を走る阪神は、サンズや佐藤輝明が4番に座ったこともあるが、最も多いのは大山悠輔。昨季は自己最多の28本塁打を放ち、生え抜きでは1985年の掛布雅之(40本)、岡田彰布(35本)以来となる30本塁打が期待されていたが、今季前半戦は10本塁打。打率も昨季の.288から.245に落としている。
課題は内角球だ。ストライクゾーンを9分割したSPAIAのゾーン別データでは、高めから低めまで内角球の打率は全て1割台。3割以上を記録しているど真ん中や外角ベルトラインの球に比べて、極端に低い。
開幕からルーキー佐藤が話題を独占しているが、16年ぶりリーグ優勝には大山の打棒爆発が不可欠。五輪期間中に行われたエキシビションマッチでは調子を上げており、後半戦に期待がかかる。
巨人・岡本和真は2年連続2冠なるか、追うヤクルト村上宗隆
巨人は昨季の2冠王・岡本和真が今季も不動の4番として活躍している。今季前半戦は打率.271、27本塁打、80打点。本塁打、打点ともリーグトップを走っており、2年連続2冠へ視界良好だ。長打率.573もDeNAオースティンに次ぐ2位。まずは4年連続30発をクリアし、逆転優勝に向けてどこまで数字を伸ばすか注目だ。
岡本と並ぶセ・リーグの代表的なスラッガーがヤクルトの村上宗隆。全試合で4番を務めて打率.258、26本塁打、61打点をマークしている。リーグ1位の61四球を選んでいる点も強打者の証と言えるだろう。
侍ジャパンの一員として出場した東京五輪決勝のアメリカ戦でも決勝本塁打を放つなど、好調を維持。後半戦で岡本を逆転し、初のキング獲得なるか。ペナントとともにタイトル争いも熾烈を極めそうだ。
6年連続3割25本塁打狙う広島・鈴木誠也
中日はアリエル・マルティネスや福田永将も4番を打ったことがあるが、多くの試合でダヤン・ビシエドが4番に座っている。2018年の首位打者は今季前半戦も.295と高打率。本塁打は14本と多くないが、わずか36三振しかしていないバットコントロールで、得点力不足にあえぐ中日打線を引っ張っている。
広島は侍ジャパンでも4番を務めた鈴木誠也が打率.306、15本塁打、38打点。今季前半戦は新型コロナウイルスの陽性判定を受けて一時離脱したこともあり、西川龍馬や松山竜平、林晃汰らが4番を務める試合もあった。5位に低迷するチームの浮上と、王貞治、落合博満に続いて史上3人目となる6年連続3割25本塁打に向け、後半戦のスパートが期待される。
DeNAはオースティンの開幕合流が遅れたため、5月中旬まで昨季の首位打者・佐野恵太が4番を務めた。今季もリーグトップの打率.328をマークしており、109安打もリーグ1位と最多安打のタイトルも視界に捉えている。オースティンに4番を譲ってからは3番に定着し、強打線を引っ張っている。
近年はメジャーを中心に「2番最強説」が唱えられることもあるが、やはり「4番」の責任や重圧は他の打順とは違うだろう。チームを背負う主砲の活躍はペナントの行方にも大きく影響するだけに後半戦も目が離せない。
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