「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」
リーグ優勝したソフトバンクで、周東佑京の果たしてきた役割は大きい。球界屈指の俊足で、ひとたび出塁すれば簡単に二盗を決める。
優勝を決めた10月27日のロッテ戦では、10試合連続盗塁と月間20盗塁のダブル球団新記録を樹立。29日に12試合連続盗塁をマークして福本豊のプロ野球記録を更新すると、30日には13試合連続盗塁に成功してMLB記録も抜き去った。
周東は東農大二高から東農大北海道オホーツクを経て、2017年育成2位でソフトバンク入団。2019年に支配下登録されると、11月のプレミア12に侍ジャパンの一員として出場し、一気に名前が売れた。
今季は打撃や守備面でもレベルアップを図り、規定打席には達していないものの打率.271をマーク(11月1日現在)。昨季の打率.196から大幅に上昇している。
現役では日本ハム・西川遥輝や阪神・近本光司も俊足として名を馳せるが、今季の周東は次元が違う。ここまで49盗塁で失敗は5回しかなく、盗塁成功率は90.7％を誇る。では、韋駄天と呼ばれた歴代の俊足選手と比べるとどうだろうか。
主な俊足選手の最も盗塁成功率が高かったシーズンを列挙したのが上記の表。南海で歴代2位の596盗塁をマークした広瀬叔功は、44盗塁した1968年に.957という驚異的な成功率をマークしている。
通算1065盗塁の福本豊は1973年に95盗塁を決めたが、16回の盗塁死があり、成功率は.856。「世界の福本」でも成功率9割を超えるシーズンはなかった。
V9巨人の切り込み隊長・柴田勲は1977年に.872。大洋時代に高木豊、加藤博一と「スーパーカートリオ」を形成した屋敷要は48盗塁した1987年に.857をマークした。
日米通算465盗塁の松井稼頭央はロッキーズ時代の2007年に.889、ルーキーイヤーから5年連続盗塁王の赤星憲広は2009年の.861が最高だった。
さらに最近10年の盗塁成功率1位（30盗塁以上）が下の表だ。
9割を超えているのは2016年と2019年の山田哲人（ヤクルト）、2018年の西川遥輝（日本ハム）の3度。そのうち40盗塁以上をマークしたのは西川のみだ。しかも今季の周東は出場試合が少ないことを考えると、やはり驚異的と言わざるを得ない。
かつてF1ドライバーの片山右京は、攻撃的なドライビングから海外で「カミカゼ・ウキョウ」と呼ばれた。令和に突如出現した「球界のカミカゼ・ウキョウ」は、残り試合でどこまで数字を伸ばすのか。さらに日本シリーズで巨人バッテリーをかき回すシーンが見られるか、興味は尽きない。
【関連記事】
・阪神・大山悠輔と巨人・岡本和真はどちらが優れた打者なのかデータで比較
・ともに31発！楽天・浅村栄斗と日本ハム・中田翔の優劣をデータで比較
・首位打者争う吉田正尚と柳田悠岐で大きく異なるデータとは？
・菅野智之と大野雄大はどちらが沢村賞にふさわしいのかデータで比較
・パ・リーグ新人王は誰だ？平良海馬、小深田大翔、安田尚憲をデータで比較
・パのエースは誰だ？山本由伸、涌井秀章、千賀滉大をデータで比較
・山川穂高と井上晴哉「二大ぽっちゃり砲」をデータで比較
・村上宗隆と安田尚憲、清宮幸太郎の同期3人をデータで比較
・ソフトバンク優勝！工藤公康監督、目指すは日本シリーズで「原辰徳超え」
・2軍も優勝目前のソフトバンク、揺るぎない最強王国へ着々
AI競馬
