4年連続日本一へ11月14日からCS
ソフトバンクが27日のロッテ戦に5-1で勝ち、3年ぶりのリーグ優勝を果たした。地元・福岡のファンの前で見事に決めた。
マジック2でこの日を迎えたソフトバンクは、5回に中村晃の中犠飛で先制すると、6回には甲斐拓也の左越え10号2ランで追加点。先発のベテラン・和田毅から岩嵜翔、モイネロ、森唯斗の継投でリードを守り切った。
6回無失点の和田は優勝を決めた試合の勝利投手としてはパ・リーグ最年長。奇しくも10月27日は新人だった2003年の日本シリーズ第7戦で完投し、胴上げ投手となった日だった。
パ・リーグは1位と2位チームのみが11月14日から行われるクライマックスシリーズを戦い、先に3勝(ソフトバンクは1勝のアドバンテージ)したチームが11月21日からの日本シリーズに進出する。
2018、2019年とシーズン2位ながらクライマックスシリーズを勝ち上がり、日本シリーズも制して3連覇中のソフトバンク。シーズンを制した今年勝ってこそ、本当の意味で日本一と言えるだけに4連覇は譲れないだろう。
4連勝か4勝1敗ならシリーズ通算勝利数で上回る工藤監督
ソフトバンクが順当に日本シリーズに進出すれば、工藤公康監督には「原辰徳超え」がかかっている。
ソフトバンクの監督就任以降、日本シリーズでは2015年がヤクルトに4勝1敗、2017年はDeNAに4勝2敗、2018年は広島に4勝1敗1分け、2019年は巨人に4連勝と全てセ・リーグチームを撃破しており、シリーズ通算16勝4敗1分けと驚異的な成績を残している。
一方、巨人・原監督は6回のシリーズ出場で通算18勝16敗。仮にセ・リーグで巨人が優勝し、日本シリーズで直接対決となっても、ソフトバンクが4連勝、もしくは4勝1敗なら工藤監督が原監督のシリーズ通算白星を上回ることになるのだ。
4連覇達成なら名実ともに「名将」の仲間入り
日本シリーズの監督勝利数では、V9巨人を率いた川上哲治の44勝を筆頭に、29勝の森祇晶、25勝の水原茂、21勝の鶴岡一人、19勝の三原脩ら上には上がいる。
とはいえ、工藤監督は16勝の野村克也に並んでおり、西本幸雄(14勝)、広岡達郎(14勝)、長嶋茂雄(13勝)、落合博満(13勝)、王貞治(12勝)ら球史に残る名監督をすでに上回っているのだ。
ソフトバンクが今年の日本シリーズを制すれば、工藤監督のシリーズ通算白星も20勝に到達。クライマックスシリーズがなかった頃と一概に比較はできないが、工藤監督が数字上は歴史に名を残すレベルに達していることは間違いない。
昨年のシリーズで4タテを喫した巨人・原監督はセ・リーグもDH制を導入すべきと提言するなど、打倒パ・リーグに闘志を燃やしている。どこが相手にせよ、楽な戦いになるはずはない。CS、日本シリーズと険しい坂を登り切って頂点に立った時、工藤監督は名実ともに「名将」の仲間入りを果たす。
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