両者ともフルスイングが持ち味の左打者
パ・リーグで首位打者を争っているのがオリックスの吉田正尚とソフトバンクの柳田悠岐だ。10月26日現在、吉田は打率.356、柳田は.348。ともにフルスイングが持ち味の左打者で、タイプ的にも似ている。
吉田は敦賀気比高から青山学院大を経て2015年ドラフト1位で入団した5年目の27歳。身長173センチとプロ野球選手にしては小柄ながら、2019年には29本塁打を放ったパワーヒッターだ。
一方の柳田は広島商から広島経済大を経て2010年ドラフト2位で入団した10年目の32歳。2015年と2018年に首位打者を獲得しており、2015年は打率.363、34本塁打、32盗塁でトリプルスリーを達成している。
実績では柳田がリードしているが、2020年だけを見ればどちらが優れているのか比較してみよう。
三振少ない吉田正尚のPA/Kは12球団トップ
イメージは似たタイプの両者だが、大きく異なるのは三振数だ。
吉田の27三振に対して、柳田は97三振。実に3倍以上の三振を喫している。三振をひとつ取られるまでにかかる打席数を示すPA/Kは吉田が17.41で12球団トップだが、柳田は4.90でパ・リーグ18位。圧倒的な差がついている。
ちなみに2019年の吉田のPA/Kはリーグ5位の9.53。いかに今季は三振が減っているかがよく分かる。
また、安打数も139安打の吉田がリーグトップ、柳田は137安打で2位につけており、首位打者と最多安打の2タイトルを2人で争っている状況だ。
パワーでは柳田悠岐が上回るが…
しかし、パワーではやはり柳田に分がある。本塁打は吉田の13本に対し、柳田は倍以上の28本。長打率も吉田の.518に対し、柳田は.642と1割以上違う。出塁率はわずかに吉田が上回っているが、長打率と出塁率を足し合わせたOPSは、吉田の.975に対し、柳田は1.095となっている。長打率、OPSとも柳田はリーグトップだ。
本塁打を打つまでにかかる打席数を示すAB/HRは吉田の30.0に対し、柳田は14.1。フライに占める本塁打の割合を示すHR/FBは吉田の9.8%に対し、柳田は18.9%。長打力を示すIsoPは吉田の.162に対し、柳田は.294と、軒並み柳田がリードしている。
今季に限って言えば、確実性を増した吉田と、パワーで勝る柳田という構図が浮かび上がる。首位打者のタイトル争いでは、三振の少ない吉田が有利かも知れないが、最後まで行方に注目だ。
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